プロ野球巨人の元エースで野球解説者の江川卓氏(70)が、2025年10月7日にユーチューブを更新し、大リーグのロサンゼルス・ドジャース佐々木朗希投手(23)のクローザー起用について、「短いイニングの起用が合っている」との見解を示した。
「投げ方が良ければ、あまりボールゾーンにはいかない」
佐々木は、大リーグ1年目の今シーズン、5月に右肩を痛めて負傷者リスト入りした。リハビリを続けながら、8月にマイナーでの調整を開始。9月下旬にチームに合流し、ポストシーズンに滑り込みで間に合った。
救援陣が厳しい状況ということもあり、ポストシーズンではクローザーとして起用されている。ポストシーズンには3試合出場し、クローザーとして2つのセーブをマーク。ポストシーズンでは、以後もリリーフとして起用される見通しだ。
ポストシーズンでの佐々木の投球を見たという江川氏は、「フォームを見ると、良い時のフォームに戻っている。休む前はすごく(フォームが)崩れていた。コントロールもつかなかった。今はその場所(クローザー)になったことで、緊張感がいい方に出ている。いい投げ方になっている」と評した。
江川氏は、佐々木の復調を確認し、ポストシーズンではクローザーでの起用が良いと指摘し、クローザーとしての課題を挙げた。
「投げ方が良ければ、あまりボールゾーンにはいかない。本人も『ストライクゾーンで勝負ができている』と言っている。ストレートも割といいボールが行っている。ちょっとフォークとスライダーが抜けるのが心配。それ(抜けた球)を誰かにガツンとやられた(打たれた)時に、怖くなる。そうすると、腕が縮まるからコントロールが乱れる。クローザーの状況で、どこかで1発あわなければ(打たれなければ)いいと思っている」
「時間のないまま肩を作っているのは逆にいいかも」
そして、自身の現役時代の経験を踏まえ、先発とリリーフの精神的負担に言及。佐々木の心理面について、次のように持論を展開した。
「今は短いイニングの起用が合っている。1番最後と言われて、時間のないまま(肩を)作っているのは逆にいいかも。先発は前の日とかに言われるから、寝る前から緊張する。リリーフならば、9回に投げることが分かっている。今のところ、それがいい方に出ている。ただ、怖いのは1発打たれたあと。(打たれて)怖くなった時に、腕が縮まるからフォークが落ちなくなる。ストライクもボールになる。そこが心配」
チームは、ワイルドカードシリーズ2連勝で地区シリーズに進出。地区シリーズでは、ナ・リーグ東地区1位フィラデルフィア・フィリーズを相手に2連勝を飾った。第3戦は、9日(日本時間)に本拠地ドジャー・スタジアムで行われ、山本由伸投手(27)が先発する。
ポストシーズンで新守護神として躍動する佐々木。今後のパフォーマンスに注目が集まる。
Roki Sasaki breaks out a FILTHY splitter for the strikeout! #NLDS pic.twitter.com/wc2GVGYctn
— MLB (@MLB) October 5, 2025