2025年シーズン、最下位に低迷したロッテに、衝撃が走った。
ロッテを支えた石川歩(37)、荻野貴司(39)の両ベテランが今季限りで退団することになった。球団は生え抜きの功労者の2人にコーチのポストを用意していたが、現役続行の意思が強かったため、その意思を尊重する形となった。
プロ初年に10勝の石川、荻野は2度のゴールデンクラブ
石川はプロ1年目の14年に10勝をマークして新人王を受賞し、16年は14勝5敗、防御率2.16で最優秀防御率のタイトルを獲得した。
先発の軸として稼働してきたが、23年は1軍登板なしに終わり、シーズン終了後に右肩の有痛性ベネット病変と関節唇損傷の診断を受けて手術を行った。
育成から支配下に昇格した24年は5試合登板で669日ぶりの白星を挙げたが、今年(25年)は1軍登板なし。イースタンリーグで7試合登板し、1勝2敗、防御率4.74だった。
チーム最年長の荻野は俊足巧打のリードオフマンとして活躍し、21年に盗塁王と最多安打を獲得。外野の守備でもゴールデングラブ賞を2度受賞している。今年はイースタンリーグで34試合に出場して打率.317、1本塁打、9打点をマークしたが、入団以来初の1軍出場なしに終わった。
「若手が台頭している中で...」
スポーツ紙デスクは、「若手が台頭している中で、球団の判断はやむを得ないでしょう。実績だけで勝負できる世界ではない。他のベテランは危機感を覚えているでしょう。益田直也、中村奨吾も背水の陣を迎えています」と指摘する。
守護神の益田は今季防御率4.35と安定感を欠き、8月20日に登録抹消。通算250セーブにあと2に迫っていたが、救援失敗した試合後にロッカーを殴った左手を骨折していたことが判明した。
内野のレギュラーとして試合に出続けていた中村は打率.186、1本塁打、3打点と打撃不振に苦しみ、5月中旬以降はファーム暮らしに。自己最少の20試合出場にとどまった。
益田は大記録達成を通過点に復活できるか。4年契約最終年の来季は正念場を迎える。
(中町顕吾)