「児童ポルノ所持」日本でも厳罰化求める声 JFA幹部が仏で有罪判決&入国禁止、識者の見解は

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   日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長(58)が、児童ポルノの輸入・所持をしたとしてフランスで有罪判決を受け、仏当局が入国禁止10年など厳しい措置を取ったと報じられている。

   欧米では、児童ポルノに厳しいとされ、日本でも、外国人らにこのような措置を取るべきとの意見も出ている。識者はどのような見方をしているのか、話を聞いた。

  • 児童ポルノに日本は甘い?(写真はイメージ)
    児童ポルノに日本は甘い?(写真はイメージ)
  • 解任された日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長(写真:アフロ)
    解任された日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長(写真:アフロ)
  • 児童ポルノに日本は甘い?(写真はイメージ)
  • 解任された日本サッカー協会(JFA)の影山雅永技術委員長(写真:アフロ)

「日本は児童ポルノに甘すぎる」「欧米並みに厳しく規制すべきだ」

   「サッカー界として許容できるものではございません」。JFAの宮本恒靖会長がこうコメントするほど、幹部の児童ポルノ有罪判決は衝撃を呼んだ。

   報道によると、影山委員長は2025年10月2日、チリで行われているUー20ワールドカップに向かう飛行機の機内で、10歳の少女の画像をタブレットで見ているところを客室乗務員(CA)に見つかった。CAが警察に通報し、仏パリの空港に着いて降りる際に、児童ポルノ画像の輸入・所持の疑いで逮捕された。

   その後、パリ近郊の簡裁で6日、即決審理が行われた。影山委員長は、AIが生成した創作物を芸術的な目的で鑑賞したなどと主張したというが、簡裁では、AI生成画像も児童ポルノに当たるなどと退けたという。その結果、執行猶予付きの懲役18カ月、罰金5000ユーロ(約88万円)の判決を受けている。

   この判決では、フランスへの入国禁止10年、未成年者への業務禁止10年、性犯罪者名簿への登録も科された。

   これに対し、JFAは、影山委員長の逮捕を5日に把握したといい、7日に契約解除と委員長解任を発表して会見も行った。

   このような内容が7日になって各メディアで報じられると、ネット上では、「フランス当局の毅然とした対応に敬意」などと賞賛の声も相次いだ。同時に、日本の当局に対する注文も相次いでいる。「日本は児童ポルノに甘すぎる」「欧米並みに厳しく規制すべきだ」「フランスがうらやましい」などと書き込まれていた。

「性犯罪の法定刑を上げ、検挙率を改善するなど地道にやるべき」

   児童ポルノの問題に詳しい奥村徹弁護士は10月8日、J-CASTニュースの取材に対し、たとえ外国人であっても、児童ポルノ法違反の輸入罪などで日本人同様に裁かれるとしたうえで、現状をこう話した。

「単純所持であれば、教員が次々に捕まったように、警察の捜査が進みやすいでしょう。しかし、日本では、実在の児童を想定しており、AIといった架空の児童も規制対象にするには限界があります。また、児童ポルノをネット上で保存して、日本でダウンロードすれば、税関は越えられてしまいます」

   児童ポルノ法違反者に対しては、フランスや米国のように、入国禁止などの措置は、日本では現状はない。ただ、日本版DBSとして、24年6月にこども性暴力防止法が成立し、子どもに関わる業務に就く人について性犯罪歴の確認を事業者に義務付ける制度がスタートした。

   この制度についても、奥村弁護士は、課題を指摘する。

「前科者を登録しても、性犯罪は、初犯がほとんどです。スマホで児童とつながり、児童も自己紹介を兼ねて画像などを送るケースもよく見られます。児童に被害意識が乏しく、申告も少ないので、効果があまり出ていません。行きつくところは、欧米のように厳しくすることですが、フランスでも性犯罪はなくなっていません。対策としては、性犯罪の法定刑を上げることのほか、検挙率を改善するなど、地道にやるしかないのではないかと思っています」

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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