公明党の斉藤鉄夫代表は2025年10月15日にXで、「石破政権だったら離脱なかった」の見出しがついた朝日新聞のインタビュー記事について、「あくまで一般論をインタビューで申し上げたまでです」と釈明した。しかし、発言の矛盾を指摘する声も上がっている。
「石破政権であれば無条件に連立を維持」との印象に「真意をお伝え」
朝日新聞は、15日に「『石破政権だったら離脱なかった』 公明・斉藤代表単独インタビュー」という見出しの記事を公開。その中で斉藤氏は、石破茂首相は企業団体献金の問題に積極的だったとして、「政権が続いていたら、新たな政策協議もなかったわけで、連立離脱はなかったと思う」と述べていた。
公明党は10日、企業団体献金の規制強化の姿勢について、自民党の回答が「誠に不十分なもの」だったとして、自公連立解消の方針を伝えていた。高市早苗総裁は、公明党側から「今回の総裁選挙で誰が選ばれても同じです」と言われたと明かしている。
斎藤氏の該当の発言は有料部分だったものの、SNSで見出しと記事のリンクを紹介した投稿が拡散し、賛否の声が寄せられていた。「総裁選挙で誰が選ばれても同じだった」という斉藤氏の主張は嘘だったのではないかとする批判も散見された。
斎藤氏は15日にXで、「朝日新聞に私のインタビューが掲載されましたが、 見出しから『石破政権であれば無条件に連立を維持した』との印象を受けられる方もいらっしゃると思いますので、真意をお伝えします」と投稿。次のように説明した。
「公明党は、選挙で国民の皆様が下された審判を重く受け止め、誰が自民党総裁であっても、
(1)公明・国民民主案をベースとした企業・団体献金の規制強化の受け入れ
(2)政治とカネの問題の全容解明とけじめ
を求める立場に変わりはありません」
仮に石破政権が継続された場合には、「すでに、昨年9月に結んだ石破政権と公明党の政権合意が存在するため、新たな政策協議の場がなかった」とし、「したがって、このタイミングでは、プロセス上、連立離脱はなかった」と説明。インタビュー記事での発言は、「あくまで一般論をインタビューで申し上げたまで」とした。
「なお、当然ながら、石破前総裁が規制強化や全容解明に後ろ向きであったなら、いずれにせよ、連立離脱の可能性は十分あったと考えます」とも伝えた。
石破首相は「『非常に積極的な姿勢』だったとは到底言えない」
一方で、斎藤氏は、石破首相が企業団体献金の問題に積極的だったとしているが、そうではなかったとする指摘もある。
楊井人文弁護士はXで、立憲民主党の野田佳彦代表が9月5日の会見で、石破首相が企業団体献金について自民党支部の実態調査をするよう指示をしていたが、その中間報告がないとして、「極めて遺憾」と発言していることに言及。石破首相が「辞任表明前に『非常に積極的な姿勢』だったとは到底言えない」と指摘した。
さらに、9月19日の自民党、公明党、立憲民主党の3党党首会談について伝えた公明党公式サイトの記事にも言及。自民党は「3党の合意内容を新しい政権に引き継ぐ考えを示した」と述べるにとどまっているとし、「この時点で公明党が石破執行部の対応を高く評価していた様子はうかがえない」としている。
本日、朝日新聞に私のインタビューが掲載されましたが、 見出しから「石破政権であれば無条件に連立を維持した」との印象を受けられる方もいらっしゃると思いますので、真意をお伝えします。
— 斉藤てつお (公明党) (@saitotetsuo) October 15, 2025
公明党は、選挙で国民の皆様が下された審判を重く受け止め、誰が自民党総裁であっても、… https://t.co/yGjP9kdB5I