2025年プロ野球のオフシーズン、巨人がヤンキース傘下3Aスクラントンに所属していた前田健太、FA権を行使するか注目される中日・柳裕也の獲得調査に乗り出すことが報じられ、大きな反響を呼んでいる。優先順位が高い強化ポイントに先発投手巨人がリーグ連覇を逃した大きな要因が、低調な先発陣だった。規定投球回をクリアしたのは11勝をマークした山崎伊織のみ。エースの戸郷翔征は8勝9敗、防御率4.14で2度のファーム降格を味わうなど111イニングにとどまった。グリフィンは6勝1敗、防御率1.42と登板した試合で高いパフォーマンスを発揮したが、度重なる故障で14試合登板、78イニングと稼働率が低かった。強化ポイントとして先発投手の優先順位が高いのは理解できるが、積極的な外部補強がプラスに働くかは不透明だ。前田は今季タイガースで7試合登板して防御率7.88と結果を残せず、5月7日に自由契約に。カブス、ヤンキースのマイナー傘下に移籍したがメジャー昇格できなかった。37歳という年齢を考えると、長期間の活躍はイメージしづらい。柳も今季は14試合登板で3勝5敗、防御率3.29。打線の援護に恵まれない側面はあったが、故障も影響して2年連続で100イニングに到達できなかった。スポーツ紙記者は「前田、柳はいい投手だが脂が乗り切った時期は過ぎたように感じる。赤星優志、井上温大、森田駿哉、横川凱など、巨人は若手に大きな可能性を秘めた投手たちがいる。彼らの登板機会が失われ、成長速度が落ちるのが心配ですね」と懸念を口にする。チーム内の競争を勝ち抜いて先発ローテーションをつかみとることに大きな価値があるという見方もあるが、阪神のように生え抜きが主力として活躍している球団は強い。V奪回に向け、巨人はどのような補強を敢行するか。(中町顕吾)
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