「おしゃべりクソ野郎」国民的番組NHK「紅白」3年連続司会に上り詰めた有吉弘行の存在意義

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毒舌を武器にする有吉が「紅白」では「すまし顔」に

   もっとも、有吉のスタイルは本来、それとは真逆で、相手に対して常にファイティングポーズをとるものだろう。ゴールデン帯に放送する「有吉ゼミ」(日本テレビ系)では台本通りきっちりと進行するものの、どこか心ここにあらずというか、ドライな印象を拭えない。

   一方で、深夜帯の「有吉クイズ」(テレビ朝日系)やラジオ番組「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」(JFN)では相変わらず生き生きとしている。2021年9月に終了した「有吉反省会」(日本テレビ系)では、単発時代を含め9年間、「あの人は今」的なかつてのスターをいじる彼は、まさに水を得た魚だった。

   極めつけは毎年12月30日に放送されるクイズ特番「クイズ☆正解は一年後」(TBS系)である。終始ニヤケ顔で、放送ぎりぎり、もしくはアウトの悪ふざけ回答を連発する有吉。そのわずか1日後、「紅白」では人が変わってしまったような「すまし顔」と、にこやかな顔を見せる。

   3年連続の起用はNHK側の信頼の表れともとれるが、視聴者が求めるものと、毒舌を武器にする有吉が提供できるものの間には、明らかな乖離がありそうだ。本来の芸風を封印した有吉が「紅白」の舞台に立つ意味はどこにあるのか。家族が集う大みそかの夜、視聴者はその答えを見つけられないまま、有吉の司会を見ることになるだろう。

(川瀬孝雄)

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