プロ野球ロッテの元投手で、ソフトバンクのフロントを経験した経営学者の小林至氏(57)が、2025年10月29日にユーチューブを更新し、日本シリーズの収益について自身の経験を踏まえて解説した。「1試合の売り上げはだいたい5億円くらい」日本シリーズは、セ・パ両リーグのクライマックス(CS)シリーズを勝ち上がったチームが「日本一」を決める試合だ。7戦4勝制で、先に4勝したチームが「日本一」となる。日本シリーズは、日本野球機構(NPB)が主催する。25年度の日本シリーズは、セ・パともにリーグ優勝を果たしたチームが出場。セ・リーグの覇者阪神と、パ・リーグ優勝のソフトバンクが「日本一」をかけて戦っている。29日に甲子園球場で第4戦が行われ、ソフトバンクが阪神を3-2で下し3連勝。対戦成績を3勝1敗とし、「日本一」に王手をかけた。注目の第5戦は、30日に甲子園球場で行われる。ソフトバンク時代、フロントとして日本シリーズを経験した小林氏。自身の経験をもとに、経営学者の視点から日本シリーズの金銭事情に言及した。1試合の売り上げについて、「だいたい5億円くらい」と分析し、その内訳に関して、次のように解説した。「入場料収入が、1試合でだいたい2億9000万円から3億円くらい。(テレビの)放映権料は、1試合だいたい1億円。冠協賛が、だいたい5億円くらい。これは割り算のしようがない。4試合だろうが、7試合だろうが、5億円。仮に、去年と同じで6試合としたら、1試合8300万円。広告看板が、1試合でだいたい3000万円。球場内の飲食が、1試合でだいたい6000万円から7000万円くらい。足し算すると、1試合だいたい5億円ちょっと」球団は1試合でも多くできた方がうれしい小林氏によると、日本シリーズには収益の分配ルールがあるという。NPB、球団、選手それぞれの分配について、こう説明した。「そもそも日本シリーズは主催がNPB。日本シリーズには、収益の分配ルールがある。日本シリーズの入場料収入は、第1戦から第4戦、選手が28%、セ・パ両球団がそれぞれ24%。NPBが24%。5戦目以降は、球団それぞれ31.5%ずつ。NPB37%。放映権はNPBに入る。その内の10%が各球団に支払われる。つまり、放映権はNPBが80%取る。MLB(米大リーグ機構)でもそういうルール」そして、スタッフから「お金の面だけでいうと、球団は1試合でも多くできた方がうれしい?」との質問には、「全くその通り」と即答し、その理由を説明した。「収益でいうと、4試合で終わった場合、去年の観客動員から推定すると、23億円。7試合までいくと36億円。だから1試合でも多い方がいい。ただ、選手への分配は4試合までなので、第1戦から第4戦までの総入場料の28%。そのうち、優勝したチームに16.8%、負けた方が11.2%。その違いはある。去年の場合、DeNAがおそらく1億7000万円。ソフトバンクが1億1000万円ぐらい」24年度の日本シリーズは、セ・リーグ3位DeNAに下剋上を許したソフトバンク。「日本一」返り咲きまであと1勝に迫っている。
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