頼みの中国市場でも低迷
海外事業が売上高・営業利益の約半分を占めるヤクルト本社にとって、中国市場の低迷は痛手だ。
23年1月には中国で「ヤクルト」などの乳酸菌飲料を約1割値上げしたが、経済の先行き不透明感、景気減速が響き、23年1~9月期は1日の販売本数が前年同期比で20%以上減少した。
中国では健康志向の高まりから乳酸菌飲料市場が拡大する一方、類似商品が数多く登場しており、また「ヤクルト」の糖分含有量を問題視する声も出ている。
ヤクルト本社は7月、26年3月期の営業利益見通しについて、国内での「ヤクルト1000」シリーズの販売不振に加え、中国やインドネシアでの販売回復の遅れを受けて、従来予想から50億円下方修正し535億円とした。現在の株価は2000円台前半あたりと、ヤクルト1000ヒット前の水準まで下落している。
一時は「眠れるドリンク」としてブームとなったヤクルト1000だが、次の成長戦略が問われている。