人間である以上、「失敗」や「誤算」は常につきまとう。Appleも例外ではないかもしれない。「噂通りの極薄iPhone」と評され、普及が期待されていたiPhoneAir。しかし、一部の報道によると、その需要はほとんどなく、Appleは製品の減産を余儀なくされているという。これが事実だとしたら、あれほど期待を集めていた画期的な新型iPhoneは、期待外れの製品だったということになってしまう。iPhoneAirの需要は「ほとんどない」?「iPhoneAirの減産」については多くのメディアが報道している。なかでも、米FORTUNEの記事は、最も辛辣な表現を見出しに掲げている。「新しいレポートによるとiPhoneAirの需要はほとんどなく、Appleは減産を余儀なくされている」――この記事によると、ユーザーは従来型のiPhone17(無印)や、よりパワフルなiPhone17Proを求めているという。無印やProは納期が最大3週間となっている一方、iPhoneAirは全色すぐに取り寄せられる状態になっているとのこと。これは同じく「激薄スマホ」として話題になったサムスンのGalaxyS25Edgeと同様の動きで、こちらは今年(25年)8月の時点で生産台数は131万台にとどまっていると伝えられている。その散々な結果を受け、サムスンは開発を中止したという報道がある。米FORTUNE記事によれば、iPhoneAirも同じ事態になりかけているという。iPhoneAirの減産あるのかAppleに詳しい有名アナリストのミンチー・クオ氏も、こうした「iPhoneAir減産説」の根拠を示すかのような発言を行っている。クオ氏曰く、サプライヤーは2026年第1四半期までに生産能力を約80%削減すると予想されており、リードタイムの長い一部製品は25年末で生産が打ち切られるとも予想されているという。もっとも、「減産は行われていない」という異論もある。iPhoneAir自体に大きな欠陥や性能不足が発見されているわけではない。GalaxyS25Edgeはバッテリー持続時間の短さが指摘されていたが、iPhoneAirに関してはそうした声はあまり聞かれない。たしかに、iPhone17や17Proと比較するとパフォーマンスはやや見劣りしてしまうが、前世代モデルであるiPhone16と比べると、遜色はない。iPhoneAirMagSafeバッテリーを取り付ければ、より長いバッテリー持続時間を見込める。にもかかわらず、iPhoneAirは、最後まで人気を呼ぶことなくラインナップから消えたあのiPhoneminiと同じ道をたどりつつあるという声も。こうした噂は果たして本当なのか、それとも憶測にすぎないのか。見極めるには、もう少しの時間が必要だろう。(澤田真一)
記事に戻る