2027年に横浜市で開かれる国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027、園芸博)の開幕500日前にあたる25年11月4日、横浜市が「開幕500日前発表会」を開いた。山中竹春市長は、大阪・関西万博の閉幕時に、大屋根リングの木材を園芸博でも再利用する考えを示していた。イベント後に取材に応じた横浜市の担当者によると、現時点では「はっきりとした形でお話できるような状況ではない」が、解体された部材を活用して「大阪万博のイメージ、レガシー」を来場者に感じてもらえるようにしたいとしている。旧米軍施設が「返還後の平和的利用の象徴」に園芸博は旭区・瀬谷区にまたがる米軍上瀬谷通信施設の跡地、約100ヘクタールを会場に、27年3月19日から9月26日にかけて開かれる。山中市長はこの点に触れて、「ホストシティとして、身が引き締まる思い。米軍により長きにわたり使用されてきた旧上瀬谷通信施設が、返還後の平和的利用の象徴として生まれ変わろうとしている。そして、平和利用の象徴を、市民の皆様や経済界の皆様とともに作り上げていく決意だ」などとあいさつした。山中氏は大阪・関西万博最終日の10月13日に開かれた「ホストシティバトンタッチセレモニー」で次のように話し、コンセプトや大屋根リングの木材も引き継いでいく考えを示していた。「世界とつながり、未来を描いていく。その大阪・関西万博のコンセプトを、そのまま引き継ぎたい。今、目の前にある大屋根リングの木材も一部グリーンエキスポで再利用したい」「そのままというよりは、部材を活用していく」横浜市は「UrbanGXVillage」と「SATOYAMAVillage」の2つのエリアで、それぞれ「建物空間を活用した発信拠点」「フィールドを活用した活動拠点」を出展することにしている。イベント終了後に取材に応じた横浜市の担当者によると、「万博の精神、盛り上がりを引き継ぐということで大屋根リングの活用を検討している」が、具体的な内容については「まだはっきりとした形でお話しできるような状況ではなく、また検討が進んで、お話しできるようなタイミング節々で発表していきたい」とするにとどめた。大屋根リングの形状をある程度残したまま横浜に持ってくるのか、バラバラにした形で活用するかについては、「解体された部材」の活用を検討していくとした。「大屋根リングはいったん解体されるということになっている。その解体された部材を活用していくということで考えている。そのままというよりは、部材を活用していくということで、どういった形で大阪万博のイメージ、またはそのレガシーというものを、(園芸博で)見た方が感じられるかというところも含めて今、一緒に検討している」園芸博では、この横浜市の動きとは別に、鹿島建設が大屋根リングの木材を活用した木造タワー「KAJIMATREE」(仮称)を出展予定だ。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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