元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が2025年11月4日にXで、日本維新の会の藤田文武共同代表が、秘書が代表を務める会社に公金支出したとの報道に関し、藤田氏に対し厳しいコメントを投稿した。一方、大坂維新の会の西野弘一大阪府議は、橋下氏に反論。2人はX上で応酬を繰り広げている。「『身内企業だから』と排除して、質の低いものを選ばされるのは本末転倒」藤田氏をめぐっては、共産党の機関紙・しんぶん赤旗が10月29日に電子版で、藤田氏側が、同氏の公設秘書が代表を務める会社に、ポスターなどの印刷代といった名目で約2000万円の公金を支出していたとする「公金還流疑惑」を報じていた。藤田氏は4日の会見で、秘書の会社に発注したことについて「仕事の質、スピードとともに信頼できる発注先として業務上の合理性がある」と説明。弁護士などにも相談し、「法的にはどこから切り取っても適正」であることを確認したと主張した。そのうえで、「納税者が納得する税金の使い方をする」という理念に立ち返り、今後はこの発注先を使わないことを決めたとも説明した。橋下氏はXなどで、この件に関し、「禁止規定がないからやっていい話ではない」などと藤田氏側に対し厳しい意見を述べていた。一方で西野氏は4日にXで、「維新の草創期、とくに新人は本当に大変でした。事務所も貸してもらえず、印刷すら断られる中で、仲間や家族のつてを頼りに活動していた」と振り返り、「『身内の支え』でここまで来たのが維新」と述べた。続けて、「それを今になって『身内だから排除せよ』というのは、あの頃を忘れたのですか? 橋下さん」と橋下氏に訴えた。続く投稿では、「値段が同じなら、より質の高いものを選ぶのが筋。それを『身内企業だから』と排除して、質の低いものを選ばされるのは本末転倒ですよ橋下さん」とも述べた。「特定業者に特名随意契約をしたりするのと全く同じロジック」橋下氏はXで、これを取り上げた記事を引用。「今や新人議員でもなくベテラン議員でありながら身内企業を使い続ける西野氏から、なぜ政治家が身内企業を使ってはいけないのかを明らかにしてもらった」と皮肉った。続けて、「西野氏の論は、役所が天下り、外郭団体、既得権団体、公立団体の有利性を述べてそこに無条件に公金を出したり、特定業者に特名随意契約をしたりするのと全く同じロジック。ここを徹底的に正してきたのが維新」と指摘した。政治家の発注企業選定について、「役所と違って政治家はいちいち入札や第三者審査などできないのが現実。いわゆる理由なく無条件に特名(原文ママ)随意契約をオンパレードしている状態。だからこそ意識的に身内企業を使わないようにしなければならないんやで」と意見を述べた。「いままで支えてくれたからとかいう理由で無条件に使い続けるのが政治行政の既得権」とも指摘した。続けて、「もうベテランの年齢なんだから身内企業に公金を流す状況ではない。身内企業への発注をただちに止めるべきだ。お世話になった身内企業にお返しをするなら、民間人となって稼いだ金でやるべきだ。それが元々の維新の思想だ」と、西野氏に反論した。別の投稿では、身内企業への発注について、「僕が代表のときに、まさかこんな疑われるような身内企業への発注はしないだろうと政治家を信じてルール化しなかったことが原因」とした。さらに、「ただ政治家ともあろうものが、身内企業を間に挟むことはまずいと感じないとは。西野氏のような感覚の人物が大阪府議会に多数いて、僕が知事就任当時、大阪府政はどうしようもないくらいメチャクチャな状態になっていた」と振り返った。
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