高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 中国総領事「斬首」投稿問題、従来の方法に固執せず「相互主義」で対応を

罵詈雑言を繰り返すだけの相手やり込めるのは「比較的容易」

   外務省は、従来の抗議方法に固執しているように筆者には思える。今やSNSの時代だ。外務省も相手のランクに応じてSNSで反論、抗議したらいい。専制国家が相手なら、高いランクの政府関係者はSNSが使えない。SNSでやり合っているのであれば外交の応酬なので、最悪の事態にまではいかない。

   専制国家の下級官吏が相手なら自由な発言は許容されていないので、実質的な中身には言及できずに罵詈雑言を繰り返すだけだ。そうした相手をやり込めるのは比較的容易だろう。

   政治的に責任が取れる政務官クラスの政治家が、例えば、「本国の指示で言わされているのか?」など遊びつつ、「テレビなどで議論しよう。もちろん中国でも放映してくれ」とでもしたら面白いだろう。

   情報統制が酷い中国には効くだろう。外交はヒートアップせずに相互主義でいこう。


++高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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