興国高校(大阪市天王寺区)が2025年11月15日、サッカー部員数人の飲酒行為が発覚したことをめぐり、飲酒した生徒を除いて部全体では活動を続け、第104回全国高校サッカー選手権大会に出場する意向だと公表した。「部員たちの今後の人格形成」考慮して出場興国高校は1日に高校サッカーの大阪予選で優勝し、全国大会への出場権を得た。2日夜に大阪府内の飲食店で飲酒行為があったという。5日の発表では、サッカー部員数人が、日曜日にあたる2日夜に「大阪府内の飲食店において飲酒した事実」を認めたことを明らかにした上で、飲酒した生徒のクラブ活動を無期限停止させ、サッカー部で同様の事案がなかったか調査するとしていた。15日には、今後のサッカー部活動について、飲酒した生徒は大会終了まで対外試合に出場させないと報告。一方で「サッカー部全体としては、今後も通常どおりの活動を継続し、第104回高校サッカー選手権大会へも出場したいと考えております」と表明した。出場に関して「大阪代表としてふさわしくない」「辞退しなければ学校がさらなるダメージを受ける」といった意見があると受け止め、下記のように考えを明かしている。「しかしながら、調査においても同種行為の存在が認められない中、本件飲酒行為に関与していない部員までもが、部員全員の努力でつかみ取った全国大会への出場を理不尽に絶たれることは、部員たちの今後の人生において深い傷跡を残しかねないと考えました。そうであるならば、例え批判の目にさらされながらであっても、前を向いてプレーする経験の方が、より部員たちの今後の人格形成に寄与すると考えた次第です」「この決断を行ったのは私ども学校運営者です」同校は「もちろん、かかる決断については多くの批判があろうかと思います」と理解を示し、「この決断を行ったのは私ども学校運営者です。批判はすべて私ども学校運営者が受け止めますので、私どもの判断に従って出場する生徒たちに対する誹謗中傷はどうかお控えいただきますようお願いいたします」と訴えた。また、ケガや不調で試合に出ないケースもありうるとし、「憶測で飲酒した生徒を特定するようなこと」は控えるように呼びかけ。飲酒した生徒には「一度の失敗で切り捨てるのではなく、再チャレンジに向けて手を差し伸べることも教育の一環」と支援を図るともいう。サッカー部をめぐっては、「300人近い部員を十分に管理できていないことが本件の原因ではないか」との指摘も受けたといい、「本校としては、複数のチームに分けて指導者・トレーナー等も20人以上配置するなど、できる限りの管理体制を整えてきたつもりでしたが、本件の発生を受けて、私生活に関する指導も含めた教育体制全般について改めて見直して参りたいと考えております」と対応を伝えた。最後は「この度は多くの皆様にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と結んでいる。高校サッカーの全国大会は12月28日に開幕する。
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