高市早苗首相の台湾有事に関する発言をめぐる日中間の摩擦が民間にまで影響を及ぼし始め、2025年11月18日の情報番組「ひるおび」(TBS系)は、中国政府が日本への渡航自粛や留学の検討を慎重にするように呼びかけていることを紹介した。「首相発言で、こんなに影響が出るなんて」番組によると、2005年から毎年開かれてきた「東京―北京フォーラム」の開催が延期されることになり、民間レベルの日中対話にもひびが入りかねない深刻な事態となっている。映画界にも波及し、「はたらく細胞」や「映画クレヨンしんちゃん超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」上映が当面見合わせとなった。また、ボーイズグループ「JO1」は、中国で開催予定イベントが「不可抗力の影響により中止」と公式SNSで発表するなど芸能界にも影響が出始めた。コメンテーターでお笑いタレントのバービーさんは「(高市首相の)発言一つでこんな影響が(出てくるなんて)。民間とか市民にしたら、(催しものを)予定していた人はたまったものじゃない」とため息。そのうえで「高市さんにはあらためて(国会答弁の)真意を聞きたいなと思います。どういう意図だったのか、中国側に『撤回する、しない』というより前に国民に説明してほしい」と話した。卓球大会中国観客の反応で摩擦の度合いが分かる?もう一人のコメンテーターで東京五輪卓球混合ダブルス金メダリストの水谷隼さんは「昨日、おとといと外食していてレストランに中国人は多いですが、とくに変わったことは感じない」と話し、「こんど(11月30日から)中国(成都)で(卓球の)大会があるんですけど、そっちのほうが怖いかなと感じますね」と付け加えた。MCの恵俊彰さんが「日中摩擦で大会がなくなるということ?」と聞く。「大会自体はワールドカップなので、日本と中国の問題で中止になるということはないけど、(卓球は)中国には日本を応援してくれるファンの方も多いんです。それが今回の問題でブーイングに変わるのかどうか。それで(日中摩擦の度合いが)わかると思う」と話した。俳優の仲代達矢さんが亡くなり、中国外務省が哀悼の意を表明したのが1週間前の11日。天地がひっくり返ったような状況変化に驚くばかりだ。(ジャーナリスト 佐藤太郎)
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