日本を批判する中国政府の「画像ミーム」が、思わぬ方向に飛び火している。「大判焼外交部ジェネレーター」が大人気高市早苗首相の国会答弁と中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事による過激なX投稿などで日中間の緊張感が高まる中、中国国防省報道官や中国外務省報道官は、SNSで日本語の「警告」文章を相次いで発信している。人民解放軍の公式Xは青い背景に白文字のフォーマット、中国外務省報道官(CHINAMFASpokesperson)公式Xは赤と黒のグラデーション背景に、白とオレンジ色の文字を組み合わせたフォーマットを使用し、強い言葉で主張をつづったものだ。一方で、日本のユーザーらはこれを「パロディ」化し応酬。近代地歴の解説動画を投稿するYoutuber・破綻国家研究所さんが2025年11月15日に「例のアレ、ジェネレーターを作ってみた」として「大判焼外交部ジェネレーター」を公開すると、さらにこの流れは活発になった。誰でも簡単に「中国外交部報道官風」の画像を生成できるとして、複数のユーザーらが「ネタ投稿」を行っている。「『乗っかった』扱いされてて可哀想だな」この盛り上がりの余波を受け、思わぬとばっちりを受けているのが「日経電子版広報部」の公式Xアカウントだ。日経電子版では、25年2月頃から記事の要約を画像化した投稿を行っている。白地に黒文字で要点をまとめたもの、青地に白文字で書かれたものの2種類のバージョンがあり、いずれも上部には日本経済新聞のロゴマーク、下部には記事のタイトルと日付が書かれている。広報部Xは11月18日に「今から保湿頑張りましょう 『保湿ケア、11月から始めて 乾燥が招く冬の肌トラブル』」として、白地に黒文字の画像ポストを投稿した。すると、投稿には「日経さん!?」「日経がこのミームに乗るのか(困惑」などと驚く声が上がった。画像形式でのポストについて、中国政府による「画像ミーム」に"便乗した"と受け取る声が広がったものだ。これに対し、過去の投稿を確認したユーザーからは「日経の過去ポスト見たら3月ごろからこのフォーマット使ってたみたいだけど、タイミング的に中国外交部ミームに便乗してるみたいになってて草」「白背景なら2月末、青背景は3月から頻度は高くないものの使われているのに、『乗っかった』扱いされてて可哀想だな」と、日経に同情する指摘が寄せられている。「日経が前からこのフォーマット使ってるせいで中共がパクツイした説出てるのほんまにおもろい」「3月くらいから使ってるフォーマットみたい。...つまりパクられた?」など中国政府による画像投稿の「元ネタ」に言及する投稿もある。なお、広報部Xは18日までに、2月28日公開の画像投稿をリポスト。投稿の真意は明らかにされていないが、「無言のアピール」と受け止める向きも少なくない。
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