やす子さんへの暴言から15か月。かつて時の人だったフワちゃんが劇的な逆転に賭けようとしている。教科書に掲載予定だった写真も取りやめにフワちゃんは2024年8月4日、自身のXで放たれた言葉によって、キャリアの歯車が狂う。レギュラーを務めていたラジオ番組「オールナイトニッポン0」(ニッポン放送)は即座に放送休止となり降板。Googleをはじめ彼女を広告で起用していた主要スポンサーが次々とCMを非公開とした。さらに衝撃だったのが、2025年春から使われる中学の技術・家庭教科書に掲載予定だった彼女の写真が削除されることになったこと。「衣服のはたらき」を紹介するページで「自分らしさや個性をあらわす例」として、ハロウィーンの仮装をする子どもたちとともにフワちゃんの写真が採用されていたが、発行元の開隆堂出版(東京都)は文部科学省に訂正申請し、削除が決まった。仕事を失ったフワちゃんは、東京・渋谷の事務所から、神奈川県内の月額2万円弱の格安レンタルオフィスへ移転したという報道があったほどに追い込まれた。もちろんというべきか、テレビからも姿を消した。当初、出演が予定されていた特番「有吉の夏休み2024密着77時間inHawaii」(フジテレビ系)では、騒動から1か月後の放送直前にフワちゃんの出演場面を全カットすると決定。映像のみならず音声まで完全に削除され、スタッフの編集技術によって「存在しなかったこと」にされた。プロレスラーとして再起をかけるフワちゃんテレビ、CM、教科書掲載から「消去」されると同時に、仕事も激減。業界全体から見放されたかのような状況が続いていた。だが、2025年11月7日の後楽園ホールで、リングに姿を現したフワちゃんは「皆さん、お久しぶりです。昨年は私の発言でお騒がせして申し訳ありませんでした」と謝罪。そして「改めなければならないことがたくさんあり、猛省しております。この期間で敬語も学びました」と述べた。その後、声を張り上げた。「そして新しい夢ができました。それはプロレス一択でした。反省やみそぎのためではありません。純粋にもう一度挑戦したい気持ちです」と決意表明した。フワちゃんは2022年10月にプロレスラーデビューを果たしていて、以来、女子プロレス「スターダム」のリングで2度試合を経験している。創業者ロッシー小川氏が独立して新団体「マリーゴールド」を設立したことで、戦力ダウンしたスターダムにとって、彼女の「話題性」は何物にも代え難い資産なのだ。12月29日、両国国技館。フワちゃんは、プロレス界最高峰の舞台で試合を行うという。芸能界から「死ぬほど」追い詰められた彼女が、ついにリングで新しい人生を始めて、死闘を繰り広げる。全国民が注視する両国の舞台で何が起きるのか。(川瀬孝雄)
記事に戻る