トヨタ「レクサス」は世界で、日本で成功したのか? 高級車「センチュリー」と棲み分ける戦略の狙いとは?

豊田章男会長「レクサスが長男坊、トヨタが次男坊みたいな感じ」では困る?

   一例を挙げるなら、コンパクトなFRスポーツセダンとして1999年に誕生した「IS」は当初、日本ではアルテッツァと名乗った。2005年のレクサス発足とともに、日本でもレクサスISとなり、その後は高級車として進化を続けている。25年9月にはISの新型モデルを公開し、26年初頭から世界各国で順次発売するという。ISは世界約40か国・地域で約130万台を販売したレクサスのベストセラーカーのひとつだ。

   レクサスで気になるのは、冒頭に書いたように、トヨタが高級車「センチュリー」を一車種ではなく、高級ブランドとして独立させると発表したことだ。

   豊田章男会長は「これまでセンチュリーの居場所がはっきりしていなかった」「レクサスが長男坊、トヨタが次男坊みたいな感じがあった。上級車以上になると、レクサスでもAbove(アバブ)が必要で、トヨタにはセンチュリーがある」などと発言している。

   先のモビリティショーでトヨタのメイン展示はセンチュリーだった。その中でレクサスは「フラッグシップを再定義する」として、6輪の「レクサスLSコンセプト」を発表した。

   トヨタのブランド戦略を統括するサイモン・ハンフリーズ執行役員は「センチュリーがトヨタの最高峰に立つことで、レクサスはラグジュアリーの中心で、さらに自由に進化できるようになる」と述べた。しばらくはトヨタの戦略から、目が離せない。

(ジャーナリスト 岩城諒)

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