「県民をはじめ多くの皆様に支えていただきながら県政を前に進めることができました」
斎藤元彦兵庫県知事は、再選から1年を迎えた2025年11月17日、YouTubeに感謝のメッセージを投稿した。節目ということもあり、メディアの単独インタビューにも積極的に応じ、政策を前に進めると語った。一方で、定例記者会見では一連の告発文書を巡る追及が続いている。会見では、斎藤知事が「適正、適法な対応だった」と繰り返す姿が目立った。
「公益通報の問題含めて、適正、適法、適切に対応」
11月19日の定例記者会見では、昨年の知事選でPR会社に選挙運動の報酬を支払った公選法違反の疑い(不起訴)に関する質問があった。記者は、なぜPR会社社長が「広報全般を任されていた」とSNSで主張し、知事側との認識のずれが生じたのか、と問うと、斎藤知事は、
「これまで同様に差し控えたいと思う。捜査機関において、十分な捜査が尽くされた結果、不起訴という判断が出たと思う」
と述べた上で、「対応については適正、適法にしてきたという認識」と語った。
また、公益通報者保護法を巡り斎藤知事に迫る記者も。知事は25年3月26日の会見で、同法の法解釈を巡り、「3号通報(外部通報)も含まれるという考え方がある一方で、内部通報に限定されるという考え方もある」と発言。消費者庁が兵庫県にメールで「国の公式見解と違う」と指摘していた。当時の会見では「消費者庁の法解釈はしっかり受け止めなければならない」などと述べ、見解が同一かどうか明言は避けていた。
この日も記者から「消費者庁の見解と知事の見解は同じなのでしょうか、違うのでしょうか」と問われるも、
「公益通報の問題含めて、適正、適法、適切に対応してきておりますので、引き続き対応していきたい」
と質問に答えず、その後も記者から追及されたが、同様のやりとりを繰り返した。この日、斎藤知事は「適正、適法」と10回発言していた。