高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 中国が日本への渡航制限!これは習近平主席による「高市アシスト」だ

なぜ中国はこんなに怒っているのか

   相次ぐ中国の自滅策を見ると、冷静な高市首相は運を確かに持っている。なぜ中国がこれほど怒っているのかは謎だが、ひょっとすると、中国は米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が行った台湾有事シミュレーションを意識しているのかもしれない。1月9日に公表されたものでは、全24のシナリオのうち、中国の台湾侵攻が成功するのは「米が台湾支援をしない」「日本が在日米軍基地使用を拒否」の2シナリオのみだ。日本がアメリカに協力すると中国の勝ち目はない。高市首相はこの中国の痛い点をついたので、習近平主席は怒ったのではないか。

   なお、問題の薛剣(せつけん)総領事発言はなかったものにするため、同氏は在任4年半なのでしれっと帰国し辺境送りだろう。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。

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