コンプライアンス上の問題から芸能活動を休止している元TOKIOの国分太一氏(51)が、日本テレビの聞き取りで録音を削除させられたと会見で告白し、同局の対応についてネット上で異論が出ている。
日テレ側は、具体的な問題を指摘せず、国分氏が説明を求められるなどの状況下で、国分氏の不利益になったのではないかという点だ。同局は、録音削除を求めたことについて、「関係者の特定につながる情報の漏洩を避けたい」などと説明している。
弁護士から「プライバシーを守るため」と求められる
2025年6月の活動休止から、5か月ぶりに公の場に姿を見せた国分氏は、タレントとしての面影が失われつつあった。11月26日に東京都内で行った会見では、憔悴して頬がこけ、声も弱々しかった。
そんな中で、絞り出すように謝罪の言葉を述べ、自らの思いを語った。
国分氏によると、番組プロデューサーらが交代するあいさつだとして日テレに呼び出され、それが終わると、コンプラ担当者と弁護士がいきなり現れた。国分氏への聞き取りが始まり、動揺した国分氏は、スマホで録音を始めたが、弁護士から「プライバシーを守るため」だとして削除を求められたという。国分氏は、それに応じたといい、聞き取りが終わると、執行役員が来て出演番組からの降板を告げられた。
何がコンプラ違反か分からなかったため、その後、同局に説明を求めたが、かなわなかったという。国分氏側は10月、日テレの対応は問題だとして、日弁連に人権救済の申し入れを行っている。今回の会見では、国分氏は、自らが考える問題について、同局と「答え合わせをしたい」と何度も繰り返した。
国分氏の会見後、ネット上では、日テレ側が録音の削除を求めたことについて、疑問の声が相次いだ。
「酷いな。録音は撮るのは自由のはず」「国分太一さんにも身を守る権利あっても良いのでは?」「国分さんは弁護士を呼ぶことも許されなかったのだろうか?」
録音削除を求めたことについては、同局が10月27日の定例社長会見で説明している。
「国分さんが受け入れたと、同席した弁護士らから聞いている」
日テレの公式サイトで発表された定例会見の要旨によると、記者から録音削除について聞かれ、副社長は、「関係者の特定につながる情報の漏洩を避けたいということ」だと説明した。そして、「その趣旨を国分さんに説明し、録音を遠慮していただけないかと申し上げ、国分さんが受け入れたと、同席した弁護士らから聞いている」とした。
記者から「国分さんの人権がないがしろにされているのではないか」と質問されると、社長は、こう反論していた。
「関係者のプライバシーを最優先した結果、国分さんの人権はどうでもいいなどとは思っていないし、できる限りの配慮をしてきたつもりである」
聞き取りすると事前に国分氏に告げなかったことも聞かれると、「事前にお伝えすれば、関係者および関係者への周辺に話が及んだ何が起きるかわからないリスクを考え、事前にはお伝えしないということを決めた」と釈明した。
今回の会見後に日テレが出したコメントでは、「ヒアリングで国分氏自らお話しされた内容だけでもコンプライアンス違反に該当し、『青少年に見てもらいたい番組』に選定されている 『ザ!鉄腕!DASH!!』を降板していただくことを即断せざるをえないものでした」として、それ以外の事実について説明する考えがないことを明らかにした。
日テレ側はプライバシーを守りながら、ある程度の事実を明らかにできなかったのだろうか。録音削除の件などについて、J-CASTニュースが日テレに取材すると、広報部は27日こうメールで回答した。
「現在お答えできることは、昨日出したコメントと、先月27日に弊社定例会見でお伝えしたことが全てです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)