冬のボーナス時期が近づき、自身の評価や給与について気になる人も多いのではないでしょうか。
特に20~30代のビジネスパーソンは、キャリア形成の真っ只中にあり、「自分の努力は正当に評価されているか」「上司の主観で判断されていないか」など、不安や疑問を感じることもあるかもしれません。
実際、OpenWorkキャリアでの調査(※)では、評価に対する不満の多くは「基準が曖昧・不明確であること」に原因が。それだけに、転職を検討する際には、その会社の評価制度の詳細や、透明性・公平性、成長機会があるかどうかを見極めることが重要でしょう。
今回、OpenWorkに投稿された20~30代転職経験者のクチコミをもとに、「評価に納得できる企業」を調査。ランクイン企業の特徴や、転職時にチェックすべきポイントについて、私、オープンワーク マッチング事業部の和田大生(わだ・ひろお)が解説します。
「評価に納得できる企業」の共通点
20~30代転職経験者による2021年以降の投稿をもとに、「人事評価の適正感」スコア(5点満点)が高い企業でランキングを作成しました。
1位は、Webマーケティングを強みとするIT企業のベーシック。一人ひとりのグレードに応じて与えられたミッションと、一貫した達成基準によって従業員を評価する「期待役割グレード制度」が、従業員にも納得度高く受け止められている様子がクチコミからもうかがえました。ランクイン企業には、次のようなクチコミが寄せられています。
・「期待役割グレード制度」という評価制度が導入されており、従来の職能型ではなく職責型として評価される仕組み。社員のキャリア形成×スキルセット×会社のミッションが連動しているようなミッションを半期に1度設定されるので、それをクリアしていくごとに成長実感が持てると同時に、なりたい自分に一歩ずつ近づいていることが実感できるため、成長思考が高い方にはとても合う環境。(コーポレート、ベーシック)
・派遣単価の公開や、評価の透明性が魅力だった。派遣先企業との関係性や契約内容にもよるが、稼働時間の下限を超えれば休める点も魅力。(技術社員、リツアンSTC)
・社内の評価基準が明確に定められており、かつそれに沿ってフィードバックが評価者やチームメイトから与えられるため、次の職位に上がるために何が不足しているかを把握しやすい。なんとなくではなく、具体的な成長機会を得ることができる。(コンサルタント、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社)
・評価制度は非常にしっかりしている。360度評価も存在し、納得度は高い。(本社、プルデンシャル生命保険)
・数字・事実を元に議論する文化があり、「なんとなく」や雰囲気で議論されたり評価されたりすることはない。(管理部門、ナイル)
ランクイン企業に共通するのは、社内の評価基準が明確で、設定したミッションを達成していくことで成長実感が得られる仕組みがあることです。
もう1つの特徴は、評価の透明性。2位のリツアンSTCは人材派遣業のため、やや特殊なケースではあるものの、派遣単価の公開などにより自身の貢献がどのように報酬に反映されるかが明確にわかるようになっています。また、360度評価など複数視点を取り入れた評価制度も、納得感を高める一助になっているといえるでしょう。
自身の現状を正しく理解でき、成長や昇進に必要な要素が明確にわかる仕組みになっているからこそ、結果として公平性や納得度が高くなっているとも考えられます。