高市首相の「台湾有事」発言撤回を求めて中国が様々な圧力をかけ続けるなかで行われた米中、日米電話会談の内容に注目が集まっているが、2025年11月28日の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)は二つの会談内容から台湾をめぐる日米中3か国の動向を探った。
高市首相には「『大丈夫?』というモードだった」
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が米政府当局者の話として「トランプ大統領が中国を刺激しないために高市首相に台湾問題の発言を抑制するように促した」と報じたことを紹介すると、キヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司さんは「(トランプ氏が高市首相に)あなたは素晴らしいリーダーだ。困ったことがあったらいつでも言ってくれ、といういつものセリフを言いながらも『大丈夫?』というモードだったと(同席した当局者から)聞いている」と話した。
日米首脳電話会談に先だって行われた米中首脳会談にも触れた。中国の習近平国家主席がトランプ大統領との会談で高市首相の「台湾有事」発言に対して怒りをあらわにしたという。峯村さんは「1時間の会話の半分以上、習近平氏はひたすらその話をしていたと聞いている。問題なのはトランプ大統領が『中国において台湾問題の重要性を認識している』と話したというが、若干、中国側の主張に寄り添っているのではないか」と懸念を示した。
中長期的には台湾問題がリスクになる恐れ
MCの谷原章介さんは「この電話会談の順番も大切で、アメリカが中国と電話会談する前に日本政府としての立場を説明するなど日米お互いの意思疎通をはかったうえでの会談だったのでしょうか」と聞く。
峯村さんは「高市さんが先にトランプさんと対中政策を話したうえでトランプさんが習近平さんと話すというのが理想」と微妙な日米中の関係を説明した。さらに「トランプさんの仲裁は短期的にみると成功したように見えるが、この電話会談以降アメリカが台湾問題に関与するとなると、アメリカの態度がずれたり、台湾をちょっと見捨てるようになってくると台湾問題が複雑になってきて中長期的にはリスクが高まると思う」と話した。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)