衣料品市場で明暗が分かれている。低価格チェーンを運営するしまむらやファーストリテイリングが過去最高益を更新する一方で、百貨店の衣料品売上は長期なトレンドとしては低迷が続いている。なぜ差が生まれているのか。
堅調な低価格チェーン、しまむら・ファストリは過去最高益を更新
しまむらの2025年2月期連結決算は、売上高が前期比4.8%増の6653億円、営業利益が同7.1%増の592億円と、ともに過去最高を更新した。26年2月期中間期決算も、売上高が前年同期比3.9%増の3435億円、営業利益が0.2%増の314億円と好調が続いている。
ファストリも好調だ。月次売上データによると、国内ユニクロ事業(既存店+Eコマース)は25年8月期、24年10月と25年4月以外は売上高が前年同月比プラス。GU事業も25年8月期の売上高は前期比100億円以上の増加となっており、堅調に推移している。
一方、百貨店の衣料品売上は低迷が続いている。経済産業省「百貨店 衣料品販売の低迷について」(2017年2月)によると、1991年には約6.1兆円だった百貨店の衣料品販売額は、2016年には約2.9兆円にまで落ち込んでいる。ちなみに日本百貨店協会の発表によると、24年の全国百貨店の衣料品の売上高は1兆5432億円となっている。