日産には世界市場で売れるクルマがない 復活の鍵を握る中国市場、そしてホンダとの関係は今

中国での新車販売台数は6月以降5か月連続プラス

   今回の日産のリストラも日本航空と同じだろう。工場の生産規模を実際に世界で売れるクルマの最低水準に合わせ、人員も整理する。2017年度に600万台に迫った日産の世界販売台数は、2025年度に325万台まで縮小する見込みだ。今回のリストラが確実に実行されれば、日産は「身の丈」に合った経営となり、黒字になるだろう。

   問題は、リストラによる最低水準の生産規模を当面は維持しながら、将来的に反転できるかだ。

   暗い材料ばかりではない。日産にとって北米に次ぐ主力市場の中国で反転の兆しがある。中国で日産は合弁ブランド「東風日産」を展開、25年4月に発売したEVセダン「N7」は好調だ。現地主導で、中国のユーザーのニーズに合わせた開発を行ったのがヒットの理由という。デザインや装備も中国のユーザーの嗜好に合わせ、手ごろな価格も実現した。

   さらに、中国で新型のプラグインハイブリッドカー(PHV)のセダン「N6」の予約販売を始めた。こちらも現地主導で開発し、低価格で発売するという。日産の中国での新車販売台数は25年5月まで前年同月割れが続いていたが、6月以降は5か月連続でプラスとなっている。

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