新型スカイラインの開発に期待したいが
もちろん中国だけで楽観はできない。日産は米国向けの一部車種を日本などから輸出しており、米トランプ関税の影響が直撃する。25年度の営業利益でトランプ関税が2750億円の押し下げ圧力になるという。
将来の鍵を握るのはホンダとの協業だろう。日産のイバン・エスピノーサ社長は日本経済新聞に対し、米国でホンダと車両開発を検討していることを明らかにしている(25年11月13日電子版)。
日経新聞によると、エスピノーサ社長は「米国でホンダと共同で車両やパワートレインの開発をできないか議論している」と述べたが、「現時点で決まったものはない」という。
エスピノーサ社長は25年5月、新たな事業再生計画を発表した記者会見で、「大事なのは日産の心臓の鼓動を取り戻すことだ。日産のブランドを活用し、ワクワクするハートビートモデルでブランド力を強化したい」と述べ、最初に投入するモデルの一つは新型「スカイライン」だと明かした。
スカイラインは「フェアレディZ」や「GT-R」と並び、かつての「技術の日産」を象徴するモデルだ。エスピノーサ社長も再生計画で示した「日産のDNAを体現するアイコニックな車種」として、スカイラインとともにフェアレディZを例示した。
とりわけスカイラインは、50歳代以上のクルマ好きにとっては、思い入れのある高性能車で、ブランド力が高い。実際に新型スカイラインは日産車内で「開発コードナンバー」が与えられ、開発が進んでいると聞く。
新型スカイラインは、かつてのスカイラインの再来ではなく、時代のニーズに合わせ、ライバルを圧倒するような先進性と魅力がなくてはならない。