日産には世界市場で売れるクルマがない 復活の鍵を握る中国市場、そしてホンダとの関係は今

官僚的な社内体質が魅力的な商品開発を遅らせていないか

   日産は3代目となる新型リーフを発表したが、残念ながら米テスラや中国の比亜迪(BYD)を凌ぐほどの先進性はなかった。日産は2010年に世界初の量産EVとして初代リーフを発売したパイオニアのはずなのに、なぜテスラやBYDの後塵を拝すのか。これでは世界市場で戦えないのではないか。

   ホンダに比べ、日産は意思決定のスピードが遅く、部長や課長の裁量もホンダの方が多いと聞く。日産は官僚的な社内体質がホンダとの協業を妨げ、結果として魅力的な商品開発が遅れているのではないか。

   いまの日産に必要なのは、時代のニーズに合わせ、ユーザーがローンを組んででも買いたくなるような魅力的なクルマだろう。その試金石が新型スカイラインなのではないか。

   筆者は先のジャパンモビリティショーで新型スカイラインのプロトタイプの展示があるのではないかと期待したが、出品の目玉は4代目となる新型「エルグランド」だった。エルグランドもかつて日産のドル箱だった。まずは26年夏に発売するという新型エルグランドの売れ行きに注目するしかないか。

(ジャーナリスト 岩城諒)

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