日本の家庭や外食産業を直撃する「コメ高騰」のニュースが続いている。
スーパーでのコメの価格上昇に加えて、日常的に利用する外食チェーンでも影響は大きい。食費への負担は増す一方だ。なぜコメの価格は上がり、外食にも波及しているのか。
家計への影響とともに、ファイナンシャルプランナー(FP)の視点を交えながら整理する。
なぜ上がる?コメ価格高騰の背景と外食への影響
近年、国内のコメ価格は、天候不順や輸入コストの上昇により高止まりしている。株式会社マーチャンダイジング・オンの「RDS-POSスーパー全国」によれば、2025年11月24日時点で、5kgあたりの店頭売価平均は約4500円と、過去10年で最も高い水準に達している。
この価格上昇の背景には、天候不順だけでは説明できない深い問題がある。近年は猛暑や長雨、台風が増えており、稲作への影響が大きい。特に、高い気温や水不足は、収穫量だけでなくコメの品質を下げてしまう。肥料や農薬、燃料の値上がりにより、農家の負担も重くなっている。
そして、スーパーでの価格上昇は、家庭の負担増につながるだけでなく、定食や牛丼、回転寿司など、コメを主原料とする外食産業にも影響を及ぼす。コメは外食チェーンにとって、不可欠な原材料だ。原価上昇分を吸収できない場合、やむを得ずメニュー価格に転嫁する必要がある。