クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」に、「日本称賛系、技術系、中国批判系など海外の反応YouTube動画」の制作を依頼する案件が掲載され、SNS上で批判が出ている。この案件は2025年12月3日正午までに非公開になった。運営会社の広報室は3日の取材に対し、同社の「仕事依頼ガイドライン」の禁止事項に該当する可能性が高いと判断し、非公開にする措置を講じたと説明。また今後、案件内容を審査するAIシステムの学習によって、違反案件の検知精度向上を図るとした。「中国人の迷惑行為やマナー違反」などを動画にこの案件は11月26日に掲載された。「日本称賛系」「中国批判系」などのYouTube動画の制作を1本2000円~4000円で発注している。仕事の詳細には、次のような説明が書かれていた。「海外の反応、興味深いネタ、家電、携帯電話、半導体、素材、部品、自動車、鉄道などにおける日本の技術、日本文化、日本語などの素晴らしさ、中国人の迷惑行為やマナー違反、感動のストーリーなどを動画にしています」また応募条件の欄には、「オンライン環境での作業が可能な方」「連絡をしっかりとしていただける方」などの条件のほか、「日本が大好きな方」という記載もあった。この案件はすでに非公開になっている。この発注者は、過去にも同様の案件を募集している。24年8月ごろに掲載していたものの中には、「海外の反応」「鉄道」「自動車」などのほか、「中国・韓国批判」をYouTube動画にしていると説明していた。AIシステムが禁止事項に結びつくものと判断できず公開運営会社の広報室は3日、同社の「仕事依頼ガイドライン」に記載している禁止事項に該当する可能性が高いと判断し、非公開にしたと説明している。この禁止事項とは、「特定の組織・職業・人物・商品・風習・文化・政治・国などのあらゆる対象に対し、事実誤認や印象操作などがおこなわれる恐れがあると判断できる依頼」「事実誤認や印象操作などがおこなわれる恐れがあると判断できる依頼」の2点だ。広報室によれば、案件登録から公開までの審査プロセスは、AIシステムによる自動検知と専門スタッフによる目視確認を組み合わせている。具体的には、AIシステムが利用規約やガイドラインに照らして案件内容を審査。問題がないと判断した案件は公開される。だが懸念があると判断した案件は保留され、専門スタッフが目視確認を行い、公開・非公開の最終判断を下している。今回批判が出た案件は、AIシステムが禁止事項に結びつくものと判断できず、結果的に公開されたという。今回の案件や類似の案件は非公開にしたと、広報室。また、「摘発した違反事例や問題視された表現のデータをAIに学習させております。これにより、今後の違反案件の検知精度向上を図ってまいります」としている。さらに、「動画配信プラットフォーム等の外部サービスとの連携による啓発や、不適切な行為を減らすための協働を目指してまいりたい」と方針を示している。
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