防衛省が、中国軍の戦闘機が2025年12月6日午後に2回にわたって沖縄本島南東の上空で自衛隊のF15戦闘機に対し断続的にレーダーを照射した、と発表した。高市早苗首相の台湾有事発言で日中の摩擦が広がっている時期だけに気になる動きだ。
「偶発的な大事故につながる危険性」
12月7日の情報番組「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ系)では、この動きをめぐってゲスト出演者が危惧を示した。
小原凡司・笹川平和財団上席フェローは「『照射』という言葉を使っているということは、中国側の航空機が安全に飛ぶための探索ではなく、攻撃のための準備段階のモードに入っていたと言ってもいい」と話し、偶発的な大事故につながる危険性があると指摘した。
ジャーナリストの櫻井よしこさんは「高市さんの国会発言に対して習近平さんが怒りを示したんだと思います。(中国側の)各部門ができる限り日本に嫌がらせをする言動を取ることで習近平さんに取り入ろうとする動きがある。(習近平氏の意思をくみとって)現場のパイロットたちが自衛隊機にレーダー照射してやろうということになった可能性もあると思う」と話し、「すごく日本は危ないところにきている。中国に情報戦で劣勢に立たされている」と話し、今こそ日本が平和国家であることを国際社会にアピールするチャンスだ」と強調した。
「中国にもメンツがある。こちらが力が上だという話はすべきでない」
それを聞いていたレギュラーコメンテーターの橋下徹さん。
「中国とは徹底的に論戦をすべきだと思うがそれは論理的にすべきだ」と話し、高市首相の台湾有事の国会答弁について「一部の識者なども含めて、あの発言は中国に対する抑止力になったという人もいる。論理の話ではなく『自分たちの方が力を持っているぞ』という、ただそれだけなんですよ。中国の関係者と話をしていて『抑止力、抑止力と言っていたら、中国はメンツがあるので必ずその上乗せの力を誇示するよ』と言っていた。(今回の自衛隊機へのレーダー照射は)その通りに来たなと」と話した。
橋下さんは「中国と徹底的に論戦していくのであれば論理的にやること、『(自分たちの方が)力が上だ』という話はすべきではない」と釘をさした。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)
①本年12月6日(土)16時32分頃から16時35分頃までの間に、沖縄本島南東の公海上空で、中国海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、当該機体に対する対領空侵犯措置を実施していた航空自衛隊のF-15戦闘機に対して、レーダー照射を断続的に行う事案が発生しました。… pic.twitter.com/1ZpxMPOOPC
— 防衛省・自衛隊 (@ModJapan_jp) December 6, 2025