人を恐れぬ「新世代グマ」増加、被害多発の秋田県知事が警鐘 「他県でもいずれ起こりうる」

   クマによる被害が多発している秋田県の鈴木健太知事が2025年12月11日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で記者会見し、現状を説明した。

   鈴木氏は、最近は人を恐れない「新世代グマ」が増えていると説明。23年にクマが大量出没した際に、人や市街地が怖くないことを学習したことが影響しているとみており、「他県でもいずれ起こりうる」と警鐘を鳴らした。

  • 秋田県の鈴木健太知事。クマによる被害を訴えた
    秋田県の鈴木健太知事。クマによる被害を訴えた
  • 秋田県では2025年だけで58件、66人の人身被害があった
    秋田県では2025年だけで58件、66人の人身被害があった
  • リソース不足も大きな課題だ
    リソース不足も大きな課題だ
  • 秋田県の鈴木健太知事。クマによる被害を訴えた
  • 秋田県では2025年だけで58件、66人の人身被害があった
  • リソース不足も大きな課題だ

2025年だけで66人の人身被害、4人が死亡

   鈴木氏によると、25年は12月7日時点で58件66人の人身被害があり、4人が死亡している。「人身被害自体は県内の交通事故よりはるかに少ないが、恐怖感、不安という部分が今回は大変大きく、経済的にも悪影響があった」と訴えた。

   鈴木氏は25年4月に知事に就任。クマ問題に対応する中で、「クマの性質が変わってきた」ことを感じたという。いわく「非常に学習能力が高いので、最近現場でも人を恐れなくなった『新世代グマ』と言われている。そうしたクマが非常に増えている」。

   70人の人身被害があった23年の大量出没の際には子連れのクマも多く、「そこで『人や街というものは恐れるものではない』ということを学んでしまった個体がかなり増えたのではないか」とみている。

   つまり、25年に各地でクマが増えた状況は「本県における2年前の状況に近いのではないか」。そのため、「他県でもいずれ起こりうる話だと私は考える」とした。

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