東京・赤坂の個室サウナで30代の夫婦が死亡した事件、ドアのノブがはずれていたり非常ボタンが作動しなかったり、安全上の不備が明らかになってきた。
2025年12月21日の情報番組「日曜報道 THE PRIME」(フジテレビ系)でレギュラーコメンテーターの橋下徹さんは「今こそ政治的大号令をかけて法の不備をただすべき」と政治側に早急に取り組むよう直言した。
「政治的大号令をかけて一斉点検すべき」
番組は警視庁による現場検証のVTRを流しながら通風口の一部が壊れて床に落ちていたことから夫妻がたたくなどして助けを求めた可能性もあると報道。橋下さんは「少しの確認があればこういう事態にならなかったと思う」と前置きして「ドアノブと非常ボタンに関しては法令上の根拠が非常にあいまい」と話した。
サウナの「非常ブザー」設置については旅館業法には「記載なし」、公衆浴場法でも「見やすい場所への設置を推奨」となっている。設置を条例で定めている一部自治体はあるもののほんのわずかだという。
橋下さんは「今回の事件は法令上の義務がなくても過失が十分問える事案だと思う。僕もよくサウナに行くが(L字型の)こういう形状のドアノブは見たことがない。こういうサウナがあるということは全国にもある可能があるのでこれぐらいは政治的大号令で『ドアノブについては確認しろ』と内側から押せるようなドアになっているかどうか政治的大号令をかけて一斉点検すべき」と話した。
閉じ込められると大変危険な施設
非常ブザーに関しては「費用負担とかいろいろ問題も出てくるだろうがドアに関してはできるだろう。サウナの施設って健康施設だからあまり感じなかったが、よく考えたら閉じ込められると大変危険な施設でもある」と話した。キャスターの松山俊行さんも「私もよくサウナつきの銭湯に行きますが大部分のところはドアを押すだけのところで、それが普通だと思っていたので(この形状に)びっくりした」と話した。
全国的な広がりを見せ始めている個室サウナ。政治的な号令を待つまでもなく経営者がやるべき最低限の「安全確認」だ。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)