政府・与党内に税収の地域格差是正案として東京都の税収を地方に振り分ける構想が浮上、小池百合子都知事は「東京を狙い撃ちにして税収を一方的に収奪するような動きで、断固として反対する」と強く抗議している。
2025年12月21日のバラエティー番組「サンデージャポン」(TBS系)は「東京の税収は地方に再分配されるべきか」というテーマをとりあげた。
小川彩佳さん「子どもの教育に関しては全国一律であってほしい」
番組は東京都の税収の特徴として、「人口が多い」「企業の多くが東京に集まっている」「23区を中心に地価が高騰している」といった要素をあげ、そのために住民税、法人事業税、固定資産税の税収が多いと説明した。その税収により小中学校給食無償化や保育料無償化などの住民サービスが出来ているとした。
ゲスト出演したnews23のメインキャスター小川彩佳さんは「私も5歳の子どもを育てているので(都の政策に)心理的安心感がある。ただ、特に子どもの教育に関しては全国一律であってほしいと思う」と話した。
経済学者の成田悠輔さんは「人口が減少し壊れつつある日本の社会をどう作っていくかという問題にいきつく。ここから1年に100万人近く日本人が減っていく中で、これまでと同じように全国津々浦々のコミュニティーとかインフラを維持していくのは無理だと思う。どうやってこの国を縮ませ、いろいろなものをたたんだり、あきらめたりしていくかを議論しないと建設的ではないのかなと思う」と話した。
「東京都の税収の一部を地方に分配」杉村太蔵さんは賛成
小川さんも成田さんもプロフィールなどによると東京都出身である。ここで地方出身代表とばかり、杉村太蔵さんが切り出した。
「僕は北海道旭川市出身で地元の小中学校を卒業した。いわばこの男(杉村さん自身)というのは旭川市民が、手塩にかけて育てたと言っても過言ではない。だから旭川の人からすれば『お前、立派になったら旭川に還元しろよ』と。立派になったかどうかさておき、稼げるようにはなった。じゃあどこに住んでいるのかというと東京に住んで、東京に住民税を払っている。あげくの果てに老後は旭川に戻りたいなと。そうなってくると稼げるうちに東京にいて納税もして。構造的な問題もあるので東京都の税収の一部を地方に分配することは、僕はあってもいいと思う」
話に力が入っていた。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)