誤解生む「直筆サインボールをランダムでお渡し」表記 消費者庁が千葉ロッテのファンクラブを問題視、ファン怒り

   消費者庁が2025年12月23日、プロ野球・千葉ロッテマリーンズが提供する有料会員制ファンクラブに対し、「景品表示法違反被疑行為」があったとの報告を行った。

  • 千葉ロッテマリーンズの本拠地・ZOZOマリンスタジアム
    千葉ロッテマリーンズの本拠地・ZOZOマリンスタジアム
  • 千葉ロッテマリーンズのファンクラブで「景品表示法違反被疑行為」。消費者庁の発表から
    千葉ロッテマリーンズのファンクラブで「景品表示法違反被疑行為」。消費者庁の発表から
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  • 千葉ロッテマリーンズのファンクラブで「景品表示法違反被疑行為」。消費者庁の発表から

「さらに選手の直筆サイン入りボールをランダムでお渡しします」

   消費者庁は23日、「株式会社千葉ロッテマリーンズから申請があった確約計画の認定について」との声明を発表した。

   問題となったのは、千葉ロッテの有料会員制ファンクラブ「千葉ロッテマリーンズ公式ファンクラブ TEAM26」において、令和7年(25年)度会員向けサービス開始に向け、1月17日に郵送されたダイレクトメールに書かれた文言だった。

   DMには、「有料会員への入会で折りたたみシートクッションまたはマルチパスケース ※いずれか1点の特典をお渡しします」との文言のほか、吹き出しに選手のサイン入りのボールの画像を添えて「さらに選手の直筆サイン入りボールをランダムでお渡しします」と表記されていた。

   枠の外側には小さな文字で「※選手はお選びいただけません」、「※サイン記入時の擦れや汚れある場合があります。返品、交換はできません」などと記載した上で、「受け取り方法 本ハガキを球場外周 TEAM26 ブースで提示」といった説明が書かれていた。

   こうした表示から、「入会すればサイン入りボールがもらえるが、サインの選手は選べない」と受け取る人も多かったとみられる。しかし実際には、この「ランダム」はサイン入りボールがもらえるかどうかを指すもので、直筆サイン入りボールが提供されるのは一部に限られていた。

「ファンクラブに入会した一般消費者に対し、支払われた年会費の一部を返金」

   消費者庁によると、違反する疑いのあった法令の条項は「景品表示法第5条(同条第2号)」の「有利誤認」だという。有利誤認は、商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為などを指す。

   千葉ロッテは、こうした違反被疑行為について、事業者の自主的な取組みにより問題の解決を図る「確約手続」を取ったとした。

   今後の対応について、千葉ロッテは紛らわしい表現を用いての勧誘を既に行っていないことを確認した上で、同様の行為を行わない方針を取締役会で決議するとした。今回の問題について一般消費者への周知を徹底し、再発防止に向けた各種措置を講じるという。

   あわせて、問題になったダイレクトメールを受けとってファンクラブに入会した一般消費者に対し、支払われた年会費の一部を返金する方針を示した。これらの措置の履行状況については、消費者庁に報告するとしている。

   SNSでは、「これ普通に読めば、『ランダム』なのはどの選手のボールが割り当てられるかだと思うわな。ボールがもらえるかどうかが『ランダム』だとは読めない」「これが許されるならボール1個だけ用意しとけば何とでも書けるもんな というか入会者の数はわかってるんだから用意しろって話ではある」など、怒りの声が相次いだ。

   なお、「満員でもないのにファンクラブ招待券使えないのなんとかしてほしい あれもほとんど詐欺じゃん」「引換上限数が異様に低くて使わせてくれないFC会員限定の試合観戦チケットについてもかなり悪質なので強い指導をお願いします」など、ファンクラブ運営全般への不満を訴える投稿も見られた。

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