Jリーグ・湘南ベルマーレ所属のポープ・ウィリアム選手が2025年12月25日、黒田剛監督およびクラブへの懲罰決定が波紋を広げていたFC町田ゼルビアをめぐり、自身のnoteに持論をつづった。
「パワハラについては認定されておりません」
23日の報告では、黒田監督は23年頃から自らの意向に沿わない選手に対しての「造反者といった表現を用いて排除する意図を持った発言」や「練習中に選手およびチームスタッフの前で特定のコーチに対して大声で怒鳴る行為」「懇親会の場でのスタッフに対する暴言等の不適切な発言」があったとし、黒田監督およびクラブに対し「けん責」処分が科されたことを報告していた。
同クラブをめぐっては、SmartFLASHが4月6日に黒田監督をめぐるパワハラ疑惑を報道。クラブ社長の藤田晋氏は同日公開のnoteで、「出鱈目であると確信を持ちました」などと記し、報道内容を強く否定した。
Jリーグによる懲罰決定後の12月24日にも、クラブはXを通じて「パワハラについては認定されておりません」と主張していた。
「悪意や誰かを傷つけようとする意図があったという認識は多分ない」
23年シーズンに町田ゼルビアでプレーしていたウィリアム選手は25日、noteを通じて在籍当時を振り返った。
「僕が今思う黒田監督の人間像は良くも悪くも自分の感じたことや思ったことを素直に言葉にする。というだけ。そこに悪意や誰かを傷つけようとする意図があったという認識は多分ないと思います」
監督について「もちろん配慮が足りないとは思います」としつつ、「監督の立場上どうしても上になってしまう」ため、選手らが意見することができなくなるという「日本社会の構造が引き起こした問題」ではないかとした。
日本独特の先輩後輩のような文化が悪影響を及ぼしているとし、「そこに悪意が無いというのが何よりも残酷。それが普通だから」とした。
「干すと言われて1カ月無視されたりとかしました」
ウィリアム選手は自身の経験についても明かしている。
「僕もプロになってから干すと言われて1カ月無視されたりとかしました」
「それだって今思えばパワハラじゃん。ってなりますけど」としつつ、「自分を成長させようと色んな方法で努力してくれてたことを考えたらそうは思わないというか。結局、最後はその人との関係性でどうなるかが決まると思います」と複雑な思いを吐露。
ウィリアム選手はミーティングで監督に反対意見を述べたことがあるとし、「監督の反応を見る限りはあんまりそういうような人が周りにいなかったから慣れてないというような印象を持ちました」とした。
黒田監督は高校サッカーで長く監督を務めてきたことから、「確かにずっと高校生を相手にしてたらそれは自然な反応というか当たり前だよなって今は思います。高校生で監督に何かを言うような人なんて日本にはほとんどいないのが事実ですから」とおもんぱかった。
移籍したのは「こんな人と一緒に仕事なんてできるか。という理由」
ウィリアム選手は黒田監督への理解を示した一方で、クラブを離れた理由については「当時は何回も監督に対してこいつは許さん。って勝手に怒ってました。事実として僕が移籍したのはこんな人と一緒に仕事なんてできるか。という理由でしたから」とも告白。
今回の件について「思うことがあったのは事実だった」とし、チームを去る時には「遅かれ早かれ監督はこういう問題が起きる」と伝えたとし、「それを聞いてなかったとはさすがに言わせません」と振り返った。
長く悩んだ末、「じゃあ黒田監督が悪なのかといえばそれはまた違う話になる」と感じているともし、「被害者側の気持ちは僕も痛いほど分かる」「この負の連鎖を終わらせたい。それが僕の使命だと思ってこのような発信は続けていこうかと思います」とまとめた。