米ボクシング専門メディア「ボクシングニュース24」(ウェブ版)は2025年12月25日、スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、32)の特集記事を組み、サウジアラビア・リヤドで行う防衛戦について、「中谷戦の前の時間つぶしに過ぎない」との見解を示した。
26年5月に東京ドームで中谷と対戦予定
井上は27日にWBC世界スーパーバンタム級2位アラン・ピカソ(メキシコ、25)と防衛戦を行う。この試合に勝利すれば、26年5月に東京ドームで世界3階級制覇王者の中谷潤人(M・T、27)との対戦が実現する。
31戦全勝(27KO)のレコードを誇る井上に対し、挑戦者ピカソは32勝(17KO)1分けで、無敗同士の一戦となる。
ボクシング専門メディアなどの下馬評は、井上勝利に大きく傾いている。パンチ力、スピード、防御など、ボクシング技術は井上が大きく上回り、キャリアにおいても井上が圧倒している。
井上の世界戦26連勝に対してピカソは世界王座初挑戦。無敗のホープにとって、井上は荷が重い相手だ。
これらの要素に加え、ピカソが自身の評価を落としたのが、7月に米ラスベガスで行った亀田京之介(MR、27)との一戦だ。試合はピカソが2-0の判定勝利を収めたものの、格下とみられた亀田に苦戦し、1人のジャッジは95-95の引き分けだった。
このような状況を踏まえ、「ボクシングニュース24」は、「井上対ピカソは中谷戦の前の時間つぶしに過ぎない」とのタイトルで記事を展開した。
「こんな夜は何も生み出さない」
同メディアは、ピカソを「無敗だが実績に乏しい選手」と評し、こう続けた。
「ピカソは見た目こそ完璧だ。背の高い(1階級上の)フェザー級の体格、整ったパンチ、まずまずのリングIQ。だが、彼のキャリアに、井上のリズムやタイミングを制御できる瞬間はない。井上にリスクがあるとすれば、ベテラン選手が陥りがちなペース配分と退屈さだ」
そして、最後に「こんな夜は何も生み出さない。名誉に見せかけた金儲けと調整に過ぎない」とバッサリ切り捨てた。
すでにサウジアラビア入りしている井上は、25日に現地で会見に臨んだ。スポーツ紙によると、井上は「このベルトがメキシコに帰ることは100%ない。ピカソ戦は、このスーパーバンタムで戦う上で必要な試合だと認識しているので戦います」などと意気込みを語ったという。
なお、井上の前座には、26年5月に対戦が予定されている中谷が登場し、WBC世界スーパーバンタム級10位セバスチャン・エルナンデス(メキシコ、25)と対戦する。