クマによる死亡事故発生でも「人が死ねばいい」「なぜ駆除する」 事故のあった自治体に聞く「問い合わせ」の実情

苦情がほとんどなかった自治体も

   一方で、こうした問い合わせがほとんどなかったという自治体もあった。

   岩手県一関市では、10月27日に60代の男性がクマに襲われ死亡したことが報じられている。同日にクマが駆除されたが、後日このクマは男性を襲ったクマとは別個体だとされた。なお、市によると、その後、事故現場付近でクマの目撃情報はないという。

   一関市林政推進課の担当者はJ-CASTニュースの取材に、去年以前まではクマを捕獲・駆除したという報道が出ると「関西弁っぽい方から、『なんで殺すんだ』といった苦情がありました」というが、今年は「そういう方からのお電話はほぼないです」と明かした。

   反対に、「(市にクマが)出没したら対応しているのか」といった問い合わせはあるが、「被害があった時や被害がありそうな時は、法律に沿って許可をもらって捕獲しています」と説明をすると、「じゃあこれからも頑張ってください」といった言葉を貰うという。「特段、苦情はないですね」と話した。

   また、10月24日に男女4人がクマに襲われ男性1人が死亡、ほかの3人がけがをする事故が起きた秋田県成東村でも、村への問い合わせは2件だったという。なお、4人を襲ったクマは駆除されたことも報じられている。

   J-CASTニュースの取材に応じた村産業振興課の担当者によると、2件のうち1件は、全国的にクマ被害が増え駆除のニュースが報じられるなか「子どもさんが『なんでクマを殺すの』といようなことを感じている」といった意見だったという。担当者はこの件数に、「もっと影響があるのかなと思っていたたが、亡くなられた方がいたこともあってか2件でした」と明かした。

   なお、意見を寄せた人たちは村内の人なのか村外なのか定かではないが、「関西弁のような言葉の話し方でした」とした。

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