高市首相の台湾有事発言で中国のレアアース輸出規制が強化されたが、2026年1月15日放送の情報番組「サン!シャイン」(フジテレビ系)はレアアース採掘をめぐる日中の攻防についてとりあげた。
中国が独占の「重レアアース」も含まれている可能性
番組はレアアースを使う兵庫県の製造会社を取材、あと2か月で備蓄がなくなり「先が読めない」と頭を抱える経営者の声を紹介した。
レアアースは17種類の金属の総称で、発光するものはLEDなどに、強力な磁力をもつものは携帯や電気自動車のモーターなどに使われている。紹介した中小企業だけでなく、輸出規制の影響は日本経済全体に及ぶ。
そこで、中国に依存しない国産レアアースを採掘しようと政府も動き出している。地球深部探査船「ちきゅう」が12日に南鳥島に向けて出航した。南鳥島沖の海底下にあるレアアースが含まれる泥の試験掘削のためで、船上から水深約6000メートルの深さまでパイプを延ばして泥を採取する。
この採掘プロジェクトにかかわってきた東京大学大学院教授の中村謙太郎さんによると、南鳥島のレアアース泥には「放射性物質」がほとんど含まれていないことと、中国が独占している「重レアアース」も含まれている可能性もある。採掘できれば、国産レアアースが中国の"低コスト独占"を打開するきっかけになるかもしれないと紹介した。
プレッシャーをかけに来ている
この国家的プロジェクトに対して中国側に不穏な動きがあるという。2011年に日本がレアアース泥を発見し、すぐに中国が南鳥島周辺の公海でレアアース調査を開始したが、2025年6月には中国の空母が周辺海域で活動するなどしており、政府も神経をとがらせている。
この動きに意見を求められたキヤノングローバル戦略研究所上席研究員の峯村健司さんは,
「邪魔です、中国が邪魔しに来ています。空母の航路を見てもかなり南鳥島を意識している。ある意味プレッシャーをかけている」
と解説した。
今後懸念される点として「中国の日本に対する制裁が強まってくれば、このプロジェクトに参画している企業に対する制裁、脅しとかを強化し、経済的、軍事的に邪魔してくる可能性がある。中国としては(南鳥島は)一番面倒くさい存在。自分たちが独占しているものが一気に崩れるわけですから。日本は国をあげてここを守らなければいけないし、どう(南鳥島のレアアース泥を)実用化に向けてスピードアップさせるか」と今後のプロジェクトの進展に期待を寄せる。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)