JR東日本は2026年3月14日(土)、運賃改定を行う。改定は、消費税増税以外ではJRになってからはじめてだという。普通旅客運賃は、全体で約7.8%の値上げとなる。定期券は14日前から買える今回の運賃改定で特徴的なのは、「電車特定区間」「東京山手線内」がなくなり、「幹線」に統合されるということだ。それゆえに東京圏の運賃は、上がり幅が大きくなる。したがって、ダメージが大きいのは東京圏での通勤定期券利用者である。職場から支給される通勤手当は、給料と一緒に支給される。一方で、定期券は利用開始日の14日前から窓口や券売機で購入できる。「モバイルSuica」で定期券を購入する場合も、同様である。定期券を購入する人の多くは、通勤手当が振り込まれたら、すなわち、給料が振り込まれたら購入する、という人が多いだろう。ということは、3月13日までに定期券を買ってしまえば、運賃改定前の旧運賃が適用され、安くなる。そこで気になるのは、給料日ごとの違いである。会社によって給料の支払い日というのは異なっている。25日・月末・5日・15日あたりが多い。そこで、給料日がいつかと、JR東日本の運賃改定のタイミング、曜日の並びなどから、どの給料日にどんな問題があるか――そして、得なのかどうかを見ていこう。問題があるとすると15日給料支給の会社25日に給料が振り込まれる会社の場合、2月は25日(水)となる。この日に給料が支給されれば、問題なくそこで定期券を買えばいい。一方で、月末は2月28日(土)となるため、前日の27日(金)に給料が支給される。ここでも問題は起こりにくい。支給日が3月5日(木)の場合は、運賃改定日が近くなり、そろそろ窓口や券売機を多くの人が利用するようになるだろう(すでに運賃改定日まで14日を切っているからだ)。そして、問題があるとすれば15日が給料日の人である。3月15日は日曜日だから、13日(金)に給料が振り込まれる。13日に(ATMで定期券代を引き出し、その足で)窓口や券売機に並び、購入するしか安く定期券を購入する方法はない。当然ながらこの日は運賃改定直前ということで混雑もするだろう。したがって、15日支払いの人は、曜日の関係で綱渡りのようにして定期券を購入しなければならないことになる。もちろん、給料の振込日や定期券の期間など人によって事情は異なる。このあたりは頭に入れておいたほうがいいことである。運賃改定前後でどれほど違うのか?気になるのは、運賃改定前後で定期券代はどれほど異なるのか、ということである。「1ヵ月定期」を例に見てみよう(多くの人は、一気に3ヵ月や6ヵ月の定期券を買えるほどの通勤手当の支給のされ方をしていないからだ)。仮に、東海道本線方面で、たとえば蒲田~東京だと、改定前は6950円、改定後は7850円で、900円差だ。横浜~東京だと、改定前は14640円、改定後は15600円で、960円の差になる。遠距離だと差は大きくなる。平塚~東京間の通勤となると、改定前は30610円、改定後は32180円となり、1570円の差になる。遠距離になればなるほど、運賃改定の前後での差は大きくなる。このあたりのことを考えると、運賃改定前に定期券を買うことも考えたほうがいいかもしれない。意識の仕方や定期券の買い方で、けっこうな差が出るのだから。【プロフィール】こばやし・たくや/1979年山梨県甲府市生まれ。鉄道などを中心にフリーライターとして執筆活動を行っている。著書『京急 最新の凄い話』(KAWADE夢文庫)、『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)。
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