文化庁は2026年1月28日、著作権普及啓発プロジェクト「著作権について知っておきたい大切なこと」の始動を発表した。プロジェクトのページには、著作権についての解説が掲載されており、二次創作の著作権問題――いわゆる「グレーゾーン」についても触れている。
文化庁が「グレーゾーン」に踏み込んで解説するのは初めてで、SNSでも注目を集めている。文化庁は、プロジェクトの趣旨を考えるとグレーゾーンに「触れざるを得ませんでした」としている。
「一番大切なのは、クリエイターへのリスペクト」
アニメや漫画、ゲームなどのファンアートを描いてSNSに投稿するといった二次創作活動。本来は作者や著作権者に許可を得て行うべきだが、多くの人は無許可で活動している。作者や著作権者が黙認していることも多く、「グレーゾーン」とされている。
文化庁のプロジェクト「著作権について知っておきたい大切なこと」は発表によると、高校生から30代までの若年層を対象に、「著作物が正しく利用され、それがクリエイターへの応援となって次の作品作りを支える好循環が、著作権法の目的である『文化の発展』につながる」ということを伝えるために実施される。
シンガーソングライター・曽我部恵一さんと2人組ラップユニット「chelmico」のRachelさんによるトークイベントや、「ハヤテのごとく!」などで知られる漫画家・畑健二郎さんなどクリエイターとのコラボ企画、著作権に詳しい弁護士による解説動画の公開などが行われるという。
プロジェクトのページには、「コンテンツを楽しむ『あなた』へ」として、著作権に関する解説が掲載されている。その中に、「気になる『グレーゾーン』の話」という項目があり、二次創作をめぐる著作権の説明がある。
この項目では、二次創作や模写をインターネット上に公開するなら「原則として『許可を取ることが必要』」と説明。クリエイターの中には二次創作などのファン活動を黙認している人もいるとして、「しかし、沈黙は『公認』ではありません」と強調した。
そのため、まずはクリエイターによるガイドラインの有無を確認するべきとアドバイス。「一番大切なのは、クリエイターへのリスペクト。作品を勝手に改変したり、相手が傷つくような使い方は絶対に避けましょう」と呼びかけている。
SNSの反響は「思った以上」...「ありがたいなと」
Xではこの項目に注目が集まり、「ここまで政府が言及するのは時代変わってきた感じするね」「文化庁が二次創作に触れてくれるの本当に助かる」「文化庁がここまで踏み込んで言及するって、結構異例だよね」といった声が寄せられた。
なぜ、今回「グレーゾーン」に言及したのだろうか。29日にJ-CASTニュースの取材に応じた文化庁著作権課の担当者は、今回のプロジェクトの趣旨について、「著作権を、ただ守るためや罰するためではなく、積極的に活用していくという考えを広めたい」と説明。
この考えに基づいてプロジェクトを進めるにあたり、「いわゆる『グレーゾーン』として、積極的ないし非積極的に黙認されている分野に触れざるを得ませんでした」とした。「クリエイターの方の意図に従って二次創作等を楽しんでいただくようにお願いしたい」と、解説の意図を説明した。
政府の見解として二次創作の著作権について触れるのは「初めてかと思います」という。
SNSでの反響については、「思った以上の反響が出てきていて、皆さんいろいろなご意見をいただいていてありがたいなと思っております」と話した。
著作権は、コンテンツを楽しむあなたと、
— 文化庁 (@prmag_bunka) January 28, 2026
作品を生み出すクリエイターが納得してつながるための仕組みです。
「著作権、これってOK?NG?」では、
8つの身近な疑問を出発点に、
著作権の考え方を解説。
著作権を知り、守ることで、
もっと自由に文化を楽しめますように。
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