少女買春などの罪で起訴され勾留中に自殺した米富豪のエプスタイン氏の捜査資料「エプスタイン文書」が欧米の政界、実業界を揺るがせているが、2026年2月11日放送の「報道1930」(BS-TBS系)では「エプスタイン氏とは何者なのか」をテーマにした。
ハニートラップ工作の可能性
米司法省が公開したエプスタイン氏に関する捜査資料の中には、トランプ大統領をはじめクリントン元大統領やビル・ゲイツ氏ら多数の著名人が含まれていた。英国では、マンデルソン英上院議員が機密情報を流したのではという疑惑も浮上、スターマー首相の辞職問題にまで発展している。さらにロシアやイスラエルの情報機関との関係も取り沙汰され、エプスタイン疑惑はヨーロッパ全土に広がっている。
番組は、英テレグラフ紙の「女性との性関係を持つ映像で脅すハニートラップ工作を行っている可能性がある」との報道を紹介した。少女買春疑惑からスパイ疑惑にまで発展しそうだ。
MCの松原耕二さんは「これがまさにそれぞれの『弱み』を握るためということにつながってきますか」と事件の性格について聞く。
アメリカの外交、安全保障政策に詳しい明海大学教授の小谷哲男さんは「つながってきます。エプスタイン氏が外国の依頼でやったか自らやって外国に売り込もうとしていたかはわからないが、間違いなく有力者、著名人、大富豪の弱みを握り自らの権力を広げようとしていたと思うし、ロシアをはじめとするアメリカの敵対勢力が何らかの形でエプスタイン氏に接触していたということが疑われ始めている」と話した。
超お金持ち子弟の名門私立学校で教師をしていた
松原さんは「島を所有し、たくさんの少女を連れてきて(性的な)接待をするとなると巨額のお金が必要になるが、このエプスタイン氏とはどんな人物なのか」と問う。小谷さんは「もともとエプスタイン氏は高校の数学の教師なんです。ただ、教員免許を持っていなかった。にもかかわらず教師のようにふるまい、しかも優秀な教師ということで有名になって、投資の世界から声がかかった」と話した。
教育の現場からなぜ投資の世界にいくのか。その秘密を放送大学名誉教授の高橋和夫さんが明かす。
「エプスタイン氏が教師をやっていた学校はドルトンスクールという超お金持ちが集まる学校なんです。米国のブリンケン(元)国務長官もそこに通っていた。『授業料いくらですか』なんて聞く家庭は来なくていいという学校です。子どもたちの親が超お金持ちで投資家も多く、そこで(エプスタイン氏が)投資の世界に入るきっかけになったのではと思う」と解説した。
小谷さんは「投資世界で有力者にうまく食い込んでいき財力も身につけていった。どの段階で外国勢力と関わり合うようになったかわからないが、自らを大きく見せる才能があったのだろう」と補足する。
巨大な財力を身につけたエプスタイン氏が、イギリスやアメリカなどの極秘情報をハニートラップで入手していたとすれば、007も真っ青である。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)