ミラノ・コルティナ五輪のスノーボード男子ハーフパイプ決勝は、戸塚優斗選手(24)が日本人選手2大会連続の金に輝き、日本中に感動が広がった。山田琉聖選手(19)も銅を獲得し、もはやお家芸と言えるほどの大活躍を見せた。そんな中で、銀を獲得したオーストラリアのスコッティ・ジェームス選手(31)が、日本選手への敬意を自らの行動で表し、賞賛の声が相次いでいる。ネットの一部で「態度が悪い」との声も出たが...2026年2月14日未明(日本時間)に表彰式が始まると、スコッティ選手は、クールな表情で入場してきた。金の戸塚選手は、両手を振り上げ興奮気味なのと対照的だ。高身長のイケメンと人気があるだけに、式で名前が呼ばれると、黄色い声が上がった。首に銀メダルをかけられ、そっと涙をぬぐう。テレビ解説では、ずっと金を目指していただけに、悔しいのではないかとその心境をおもんぱかった。しかし、それでも感極まった様子の戸塚選手と表彰台で抱き合うなど、勝者への賞賛は惜しまなかった。戸塚選手の金メダル授与が終わって、いよいよ日の丸掲揚が始まる。日本の国歌斉唱が行われ、戸塚選手と山田選手がニット帽を外して国旗に向き合う。すると、スコッティ選手が、クールな表情のまま、さりげなく右手を上げた。そして、ニット帽を取って、頭を垂れる様子を示した。悔しさもあるかもしれないが、戸塚選手らへの敬意が表れた瞬間だった。その後、戸塚選手と山田選手のフォトセッションが行われたが、スコッティ選手は、その場から離れてしまった。向かったのは、4位と惜しくもメダルを逃して泣き崩れる平野流佳選手(23)の元だ。スコッティ選手は、平野選手のそばで寄り添い、膝を突いて背中をさする。平野選手を励ますように、何度も声をかけていた。自らも悔しいはずなのに、トップを目指してしのぎを削るスノーボーダー同士の友情を見せた。表彰式では、クールな表情だったスコッティ選手に対しては、ネット上の一部で「態度が悪い」との声も上がった。「大会とか練習とかで顔を合わせて鎬を削ってきた戦友」しかし、脱帽して日本選手への敬意を示したり、自らよりも仲間のことを心配したりするその姿勢に、ネット上で賞賛の声が相次いでいる。「どんだけ良い奴なんだよ!!」「こうやってずっと慰めるとか、カッコいい」などと書き込まれていた。平野選手への激励を知ったプロスノーボーダーのチョコバニラボール新井さんは2月14日、「スコッティが冷たいなんて言葉がSNSで上がってたけど、見えないとこでこんなことがあったんだ」とXで漏らした。「このメンバーは国籍関係なくこの日のためにみんなで毎週のように大会とか練習とかで顔を合わせて鎬を削ってきた戦友なのであってお互いの努力の過程も見てるしそれがどれだけ大変かも理解していて、お互いにリスペクトがある関係銀メダルで不貞腐れていなくなったとか有り得んのよ」スコッティ選手は、キング・オブ・ハーフパイプとも呼ばれ、ワールドカップなどで長年にわたって日本選手らとの死闘を繰り広げてきた。5大会連続で五輪に出場し、米ショーン・ホワイト選手と平野歩夢選手(27)がそれぞれ金銀に輝いた18年の平昌五輪では、銅に食い込んだ。22年の次回北京五輪では、平野歩夢選手と激しいトップ争いを演じ、平野選手の金に続く銀を獲得している。今回も、日本勢とスコッティ選手の戦いとみる専門家もいたほどだ。その予言通りの激戦となり、試合後も、互いに技を磨き合った交友関係を深めたようだ。(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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