メイドカフェやコンカフェ(コンセプトカフェ)、JKリフレなどをまとめて「萌え産業」と呼び、秋葉原を中心に全国へと広がった。それ以来、このビジネスは水商売の間ですっかり定着。2020年前後よりコンカフェブームが到来し、あちこちのエリアで出店が相次いだ。「コンカフェ嬢」を夢見る若者が続出するほどの人気を博し、一時期は新店が毎日、毎週のように登場したものだ。しかし、現在は閉店および摘発ラッシュだ。名を馳せた有名店でさえシャッターを下ろす始末で、ブームの収束まではいかずとも、厳しい状況を強いられているようだ。にぎわいを見せる六本木キャバクラ、風営法の規制が強まった中で売り上げをキープするホストクラブとは裏腹に、苦戦する萌え産業たち。現在ではJKリフレも縮小気味で、この世界では生き残りが大変らしい。なぜ閉店&摘発ラッシュ?「そもそも」のルールを守らなかった店たちコンカフェの摘発が目立つようになったのは2024年頃だが、前々から目立たないところでガサ入れが起きていた。摘発を食らう店というのは風営法の許可なく一般の飲食店として営業するのにもかかわらず、お客の隣にキャストを座らせるなど、スタートラインからしてアウトだった。「そもそも」の話なのだが、実は「初歩の初歩」といったルール違反が想像以上に多く、有名店でさえ脇が甘い例さえあり、ずさんな営業の仕方が見事に仇となった。もちろん、ルールを守ってきちんと営業する店も存在する。それでも閉店に追いやられてしまうのは「赤字続きで経営が苦しいから」がシャッターを下ろす理由のナンバーワンだ。SNS上では煌びやかなキャストたちが目立つが、人件費と仕入れ代、キャストの衣装代、家賃など諸々の経費を考慮すると、けっこうお金がかかる。コンカフェでは利用金額はキャバクラより安く、ガールズバーより少し高いくらいなので、安く飲もうと思えば3000~5000円でおさまってしまう。店舗によって金額は異なるものの、単価の低い客が連続すればさほど売り上げにはならない。よって、きちんと数字を出せるキャストを複数名抱えていないと爆発的な黒字を出すのは難しいという結論へと至る。「じゃあ売れっ子を揃えたら安泰でしょう」なんて意見が飛んでくるだろうけど、売れっ子こそ条件がいい他店への移籍を繰り返しやすい。タブー行為だが業界内での引き抜きも多く、まず前提として、「ナイトワーカーとは気まぐれ」である。気分次第でやめたり、出勤が安定しなかったりの可能性を考慮すると、萌え産業の黒字および継続は決して簡単ではないものだ。働く人々の年齢が若いのも関係して、不安定になる要素が多いからこそ閉店に追いやられるのは何も不思議な話でないのである。「萌え産業」の不安定さ萌え産業そのものが消えることはないだろうが、打ち上げ花火のような事例が多いことは否めない。おそらくリフレなどグレーゾーンの商売は最初から長期継続を望んでいないのだろうけど、飲食店に関しては明らかな失敗が前面に出てしまう。同じハコで店名を何度も変えてリニューアルし、最終的に完全閉店を遂げるなど残念なケースも決して少なくはないからだ。もともと萌え産業を副業として始める企業も多く、税金対策として出店するパターンも珍しくはない。この場合、会社にとって「副業」扱いのため、「黒字が出たらラッキー」程度の感覚である。売り上げにはガツガツしなくて済む一方で、ハングリーさがないと店はあっという間に潰れ、キャストの未来が閉ざされる。オーナーがなんとなくの気持ちで始めれば会社としてのダメージがなくとも、働き手に支障をきたすのだ。このように、企業と働き手の考えが全くマッチしていないと、数字や環境が不安定になるのは当然のことだろう。また、本気で売り上げを作るべくオープンさせても、店の方向性が最初からブレているケースも少なくはない。コンセプトカフェ=コンカフェなのにコンセプトがハッキリ決まっていなかったり、あるいは内容が営業途中で変わるなど......。コンカフェとガールズバーは体裁上「ノットイコール」なので、ただカワイイ制服だけを着て接客をするのは主旨がズレている。悲しいかな境界線が曖昧な店は多く存在する。だいたいは軸がブレて閉店するオチだ。そして、また名前を変えて新装開店を繰り返すのが「あるある」で、幾度となく同じことを擦れば客も働き手も気づくので、最終的に界隈で煙たがられてしまう。萌え産業を冷静に観察すると、本当に生き残りが難しい。表向きは華やかでも、構造や仕組みは非常に地味でコツコツやらねばならない。これはどの商売でも言えることだけど、表面だけを見て全てを判断するのがいかに危険かがよく分かる。水商売もジャンルはさまざまだが、結局のところ経営センスがないと「一発屋」で終わるのがイタいところ。実際、萌え産業を見ていると不動のトップがもう何十年も変わっていない。コンカフェやリフレはキャバクラや風俗店よりも出店のハードルが低いため、継続は店舗ごとの「力」がかなり試される部分なのだ。流行っているからといって、どこも順風満帆とはいえないのがリアルな現実。働き手は煌びやかな一面ばかりをピックアップせず、見極める能力を持たねば職場を転々とするハメになるのでぜひ注意してほしい。【プロフィール】たかなし亜妖/2016年にセクシー女優デビュー、2018年半ばに引退しゲーム会社に転職。シナリオライターとして文章のイロハを学び、のちにフリーライターとして独立する。現在は業界の裏側や夜職の実態、漫画レビューなど幅広いジャンルのコラムを執筆中。
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