このところ、芸能界のポジション争い、椅子取りゲームにおいて、従来のイメージや「テンプレート」の「外」に活路を見出す女性タレントたちが求められている。つまり「~なのに」という矛盾や違和感こそが、最強の武器になっている。
約10年の休業ののち復活...「無双状態」の若槻千夏
たとえば若槻千夏さんがバラエティで「無双状態」と称されるようになったのは、ある戦略的な判断からだ。2児の母でありながら、「ママから得るものが1個もない」「ママ何ができるの?」と娘から辛辣な言葉を吐かれる「ダメ母」ぶりを告白。いわゆる「理想的なママタレ像」という枠の外で活躍することを選択することで、約10年の休業ののち、復活することができた。むしろ「母親失格」という矛盾があるからこそ、視聴者の笑いと共感を呼び起こす。
一方、上谷沙弥さんはスターダムの女子プロレスラーという「強そう」な立場を背負いながら、バラエティの場では素顔の「かわいらしさ」を見せる。ヒールレスラーとしてリングでは圧倒的な悪役だが、『千鳥の鬼レンチャン』(フジテレビ系)や『ラヴィット!』(TBS系)などテレビに出ると、そのあどけないギャップに驚かされる。この「強そう~なのに、かわいい」という矛盾が、彼女を唯一無二の存在に仕立てている。
そして野呂佳代さんは、AKB48という「完璧さ」を求められる世界から「はみ出た」後、プラスサイズモデルという「ありのままの自分」を活かした。バラエティでは「素の自分」「普通っぽさ」を武器にし、女優として花開いた。4月からは黒木華主演の新ドラマ『銀河の一票』(フジテレビ系)で準主役を務める。「アイドル時代とは違う自分の価値を見つけ、その道を歩む」-―それは1つの象徴的な人生ストーリーであり、むしろ現役時代の「失敗」や「不遇」こそが、その後の活躍を際立たせるのだ。