日本の原油輸入の約9割は中東に依存
この脆弱な経済構造に追い打ちをかけるのが、緊迫するイラン情勢である。
原油の通り道となるホルムズ海峡の緊張が高まり、世界の原油価格は米国時間3月11日深夜に急騰して1バレル100ドルの節目を超えた。
日本の原油輸入の約9割は中東に依存しているとされる。エネルギーコストの上昇は産業界の収益を圧迫するだけでなく、物流コストを通じてあらゆる物価を押し上げる。
政府は備蓄放出のほか、ガソリン価格を抑制する補助金の再開を明らかにしているが、このまま原油価格が上がり続ければ、日本経済はコストプッシュ型スタグフレーション、いわゆる「悪いインフレ」の直撃を受けることになる。
日銀が2026年1月23日に出した「経済・物価情勢の展望」では、消費者物価を「政府による物価高対策の効果もあり、本年前半には、2%を下回る水準までプラス幅を縮小していくと考えられる」と予想していた。だが、そこで懸念されていた「資源・穀物価格については、地政学的な要因や天候要因等により、大幅に変動するリスク」が的中する格好となっている。