幸せはキッチンから――。2026年3月25日放送の「最後の講義」(NHKEテレ)で料理愛好家の平野レミさんは自身の生い立ちや夫の故・和田誠さんとの思い出を振り返りながら料理への思いを語った。
麻雀仲間だった久米宏を通じて知り合う
平野レミさんはスタジオに集まった20人ほどの視聴者を前に今までの人生を語り始める。イラストレーターの和田誠さんとの出会いが興味深い。
レミさんは高校中退してシャンソン歌手として活動していたころ、久米宏さんがやっていたラジオ番組にアシスタントとして出演するようになった。久米さんの麻雀仲間だった和田誠さんが平野さんを見初めて久米さんに紹介してほしいと頼んだが、久米さんは「彼女を紹介したら和田さんは人生を棒にふりますよ」と言ってなかなか紹介してくれなかったという。
別のつてで知り合い結婚することになった。和田さんは永六輔さんや黒柳徹子さん、吉永小百合さんら親しい友人を家に招くのが大好きだったという。そういったお客さんに料理をもてなしながらレミさんの腕は磨かれていった。
「キッチンからですよ幸せは」
そんなレミさんの料理をいつも「おいしい」と言ってくれた和田さんは2019年10月に亡くなる。最後、和田さんが入っている棺桶の中に入れる料理を作ったというレミさん。
「その時の最後の料理も手を抜かないで作った。和田さんが食べないかもしれないし食べるかもしれない。その時もちゃんと味をみて一所懸命つくって。そうやって作っている時も幸せだった」としんみり語った。
最後に、レミさんは「生きるということは食べること。食べることは料理をすること。料理をみんなに振る舞うことはいっぱい愛を与えることだし、逆においしいといって笑顔をもらえるし、その相乗作用が高まっていくのが料理だと思う。キッチンからですよ幸せは。皆さんキッチンから幸せを発信していきましょう」と結んで拍手をもらっていた。
豪快だが愛のある料理、レミさんの原点を見たような気がした。
(ジャーナリスト 佐藤太郎)