「同様の懸念を示す役員は他にいなかった」
一方で当時は、広告代理事業を管掌していたビッグローブ取締役執行役員常務から「扱う商品の審査とクリエイティブチェックはしている。変な広告が出たり、薬事法違反になったりが起こらないようなマネジメントをしている」などと説明があり、会議の場でそれ以上の追及はなく、「同様の懸念を示す役員は他にいなかった」とのことだ。
その後について調査報告書には、「当該指摘を踏まえ、KDDIの監査役及び内部監査部は、同月以降の対応で、ビッグローブの監査役への確認を行うとともに、会計監査人とも意見交換を行っていたのであり、そうした対応の結果、本件架空循環取引の発覚に繋がったことは認められ、ある意味では、これ以上の傷の拡大を防ぐことができたという側面があることは否定できない」などと記されている。
今回の発表を受けて、高橋氏の活躍はXでも注目され、「高橋誠さんすげー!」「切れ者過ぎる」「異様な数値の伸びに対して正しく指摘できたの優秀やね......」「素晴らしい経営感覚」「細かな話まで聞かずとも経営者としての嗅覚が何か変だと思わせたのか...」などと称賛されている。
高橋氏は1984年3月に横浜国立大学・工学部金属工学科を卒業後、京セラを経て、同6月にKDDI前身の第二電電へ入社。03年に執行役員となり、昇格を経て18年に社長に就任。22年7月にKDDI(au)で大規模通信障害が発生した際は社長として謝罪会見に臨み、対応力がSNS上で高く評価されたことでも知られる。25年4月に代表権のある会長に就いている。