台湾の頼清徳総統が2026年4月21日、予定されていた22日からのアフリカ訪問が急遽見合わせになったことをXで報告した。
「中国からの圧力を受けて、突然、領空通過許可を取り消した」
頼清徳氏は22日からエスワティニ(旧スワジランド)を訪問し、国王・ムスワティ3世の58歳の誕生日を記念する祝賀行事に出席する予定だった。
訪問前日となる21日夜、頼清徳氏は「中国の威圧的な行動は現行の秩序を損なうものであり、独裁政権が国際秩序にもたらすリスクを改めて浮き彫りにしている」と主張し、アフリカ訪問見合わせの経緯を説明した。
「私がエスワティニを訪問する直前、飛行ルート上のいくつかの国が、中国からの圧力を受けて、突然、領空通過許可を取り消した」という。
中国側の対応をめぐり、「いかなる脅迫や強制も、台湾が世界と関わりを持つという決意を揺るがすことはなく、国際社会への貢献を損なうこともない」とした上で、「外部からの圧力に屈さず、志を同じくするパートナーと世界中で友好関係を築いていくという我々の決意は揺るぎない」とした。
「中国の弾圧行為は、台湾の人々の感情を傷つけるもの」
頼清徳氏はフェイスブックでも、本件についてコメントしている。
「国家安全保障および航空安全を最優先に考慮し、私は国家安全保障チームの助言を受け入れ、今回の訪問を延期することを決定しました」と説明した上で、台湾としての立場を明らかにした。
「中華民国台湾は主権独立国家であり、台湾の人々は世界へと歩み出し、理念を同じくするパートナーとの協力を深化させる権利を有しています。中国の弾圧行為は、地域の安全保障上の現状を破壊するだけでなく、台湾の人々の感情を傷つけるものであり、さらに権威主義国家が国際秩序と平和・安定に与える衝撃と危害を繰り返し示しています」
また、「この重要な局面において、手を差し伸べ、積極的に支援を提供してくださったすべてのパートナー諸国にも感謝申し上げます」とし、「台湾は世界に孤立して立ち向かうことはありません。台湾は友好的なパートナーと共に立ち、民主主義と自由を守り、地域の安全と安定を維持してまいります」としている。
「『一つの中国』原則を 順守」する国々を「称賛」
台湾の在日大使館に当たる台北駐日経済文化代表処公式Xアカウントも22日、「経済圧力などで決定を変更させる行為は国際ルールに反し、航空の安全にも影響します」とした上で、「台湾は中国を強く非難します」としていた。
一方、中国側は台湾による領空通過を許可しなかったアフリカの3か国を称賛している。
ロイター通信が22日に公開した「中国、台湾総統の領空通過を拒否したアフリカ3カ国を称賛」との記事では、国務院台湾事務弁公室の張晗(かん)報道官による発言を紹介している。
中国側による経済的な威圧があったとの疑惑を否定した上で、「『一つの中国』原則を 順守するこれらの国の立場と『実践』に対し謝意を表明した」とした。
中国外務省は本件をめぐり、「もはや世界にいわゆる『中華民国』総統など存在しない」と主張していた。
「航空の安全と保安という国際社会の共通利益を確保していくことは重要」
木原稔官房長官は23日の定例会見で、本件をめぐる質問に回答している。
「我が国は詳細な事実関係を把握できる立場にはない」とした上で、「台湾をめぐる情勢について関心を持って注視をしている」と説明。
「一般論として申し上げれば、航空の安全と保安という国際社会の共通利益を確保していくことは重要であり、そのために全ての関係において透明性を持った運用がなされることが重要」と述べた。
台湾に寄せられた多くの温かいメッセージに、心より感謝申し上げます。
— Taiwan in Japan 台北駐日経済文化代表処 (@Taiwan_in_Japan) April 23, 2026
一つひとつの声が、台湾にとって大きな力となっています。あらためて深く御礼申し上げます。
今後とも、台湾への変わらぬご理解を賜りつつ、
引き続き温かいご関心とご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。 https://t.co/de6XU5ZqPU