AKB48で最も長くグループ総監督を務めた向井地美音さん(28)が2026年4月30日に東京・秋葉原のAKB48劇場で開かれる公演で、グループを卒業する。向井地さんはグループ加入前から筋金入りの「AKBオタク」で、加入直後はマネジャーから「元ファン」という素性を隠すように言われたほどだ。だが、その「AKB48愛」が強みになり、19年にグループ総監督に就任。コロナ禍など困難な環境の中でグループを支えた。26年4月3日に東京・国立代々木競技場第一体育館で開いた卒業コンサートでは、憧れの1期生、小嶋陽菜さん(38)、高橋みなみさん(35)、峯岸みなみさん(33)によるユニット「ノースリーブス」と共演。自らのことを「さすがに大成功オタクって言っていいですか?」と満面の笑顔を見せた。昔のツイッターのプロフィールには「桜の木になろう新規です」向井地さんは篠原涼子さん(52)が主演したテレビドラマ「アンフェア」(フジテレビ系、06年)で篠原さんの娘役を演じるなどの子役出身で、13年に15期生としてAKB48に加入した。かつてのツイッター(現X)のプロフィールには「桜の木になろう新規です」とも。「『桜の木になろう』(11年)という楽曲をきっかけにAKB48のファンになった」の意味で、加入前から「AKBオタク」だった。卒業コンサートのあいさつでは、加入時のことを苦笑交じりに振り返った。「まだそんなに握手(会)とか劇場に通うほどの、ファン出身だったメンバーは今よりも少なかったような気がしていて、当時よく担当のマネジャーさんに『自分がAKBファンだったことはなるべく隠すように』って、たまに怒られていたのを思い出します」加入直後から「次世代エース」として注目されてきた。16年の「選抜総選挙」の投票券つきの楽曲「翼はいらない」でセンターに抜擢され、13位にランクイン。初の上位16人の「選抜」入りを果たすも、翌17年の選抜総選挙では17位に順位を落とし、ギリギリで選抜入りを逃す挫折も経験した。総選挙選抜落ちで挫折、「センター試験」トップで自信取り戻す向井地さんはあいさつの中で、「AKB48が大好きという気持ちをひたすらに貫き通していたら、気づいたらそれが私の個性であり武器になっていました」とも話した。転機になったのがAKB48グループの知識を問う「センター試験」(18年3月)。向井地さんは400人以上参加したメンバーのうち、2位に圧倒的な差をつけて1位を獲得して自信をつけた。向井地さんは19年4月から24年3月までグループ総監督を務めた。この間、コロナ禍でグループの活動が困難になったり卒業者が相次ぐなど、向井地さんにとっては「向かい風」の5年間だった。向井地さんのために書き下ろされた卒業ソングのタイトルも「向かい風」だ。向井地さんは「諦めずに頑張り続ければ、いつかそんなつらい経験も自分の糧となって、『追い風』に変わる日が来ることを、私は13年間で学びました。だから、AKB48はいつまでも諦めないグループでいてほしい」とエールを送った。とりわけ向井地さんの笑顔がはじけたのがコンサートの後半。「ノースリーブス」の3人を前に「すごくオタクとしては......さすがに大成功オタクって言っていいですか?」と呼びかけ、観客席から大きな拍手が起きた。アンコール発動で「オタクに戻れて幸せでした」AKB48は4月3から5日にかけて春のコンサートを全4公演開いた。向井地さんが出演したのは自分の卒業コンサートのみで、それ以外は「AKB48オタク」に戻った。コンサートでは、本編終了後、通常はファンが「アンコール発動」する。4月5日の夜公演では、ファンから向井地さんにアンコールを求める声が上がり、スポットライトが来賓席の向井地さんに向けられた。向井地さんがペンライトを振り上げて「アンコールいくぞ~!AKB~!」と声をあげ、舞台裏のメンバーにも届いていたようだ。4月12日に向井地さんが出演したラジオ番組「柱NIGHT!withAKB48」(bayfm)で、当時の様子について「よく聞いたら、美音さんの声も聞こえて......」(MCの山内瑞葵さん)「よく通りました、声が」(同期の福岡聖菜さん)といった声があがると、向井地さんは「うれしいです、貴重な経験を......。オタクに戻れて幸せでした」と喜んでいた。卒業後の活動については、卒業コンサート後の記者会見で「まずは13年間走り続けてきたので、一旦少しお休みもいただきつつ、自分だからこそできることとかがあったらいいなと、いろいろ今、模索中なんですけど......」と話している。(J-CASTニュース編集委員兼副編集長工藤博司)
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