国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画といった日本が取り組む外交・安全保障政策の基本的な方針となる安保3文書改定に向けた議論が始まった。2026年4月30日放送の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に有識者会議のメンバーで、経済安全保障に詳しい東京大学公共政策大学院教授の鈴木一人さんが出演、日本の新しい防衛のあり方を説明したが、国会での議論もきちんとしてほしいという声も出た。東大大学院教授「防衛力整備をしない状態で外国から攻められる恐れ」4月27日の有識者会議で高市首相は「ロシアのウクライナ侵略や中東情勢を教訓に新しい戦い方への対応や長期戦への備えを進めなければならない」と発言した。ロシアのウクライナ侵攻や、アメリカとイランの戦闘などに見られるように、ドローンの投入やAI活用などが一例として挙げられ、日本もドローンを国内で大量調達できる生産基盤の整備を打ち出す方針だ。こうした動きにMCの大下容子さんが「平和国家という理念が崩れてしまうのではという懸念にどう答えるか」と鈴木さんに聞いた。鈴木さんは「平和とは何だと、これから問われることになる。世界では国際法を無視した攻撃や戦争が起こっている状況のなかで、その中で我々だけが武器の生産や防衛力の整備をしない状態で外国から攻められてくる。この可能性が高くなっているなかで、本当に平和を守るためには何をすべきかが問われている。重要なのは相手が攻撃をしたくなくなる、攻撃したらそれ相当の反撃を受けるという抑止力を持つことが平和を維持するためには必要になっている」と話した。柳澤秀夫さん「戦争回避への努力がまだ足りない」ジャーナリストの柳澤秀夫さんは「まずはこの話は国会で専門家も入って議論するのが筋ではないかと思う。確かに行政文書とすれば政府が中心になってその考え方をまとめるという流れがあり、そこで有識者の方々が議論するというのは一つの場だと思うが、そこですべてが決まったら何のための国会なのか。戦争が起きるという前提にする話からちょっと離れたところで、どうやったら戦わずに済むのか、どうやったら戦争を回避できるのかという努力がまだまだ足りないと思う。どういう防衛体制をとるべきかという議論を否定するのではなく、それはそれであったとして、逆の方向のアプローチの仕方に対する力点の置き方がこの国は今不足している」と懸念を示した。湾岸戦争やアメリカの同時多発テロなど多くの紛争を取材してきた柳澤さんの体験に基づく指摘だ。(ジャーナリスト佐藤太郎)
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