プロボクシングの元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン、43)が、井上尚弥対中谷潤人戦の勝敗を予想した。
「中谷はストレートをジャブのように使い続ける必要がある」
スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、33)は、2026年5月2日に東京ドームで、世界3階級制覇王者・中谷潤人(M・T、28)を相手に防衛戦を行う。
井上、中谷ともに32戦無敗で、井上は32勝(27KO)、中谷は32勝(24KO)。互いに強打を誇り、右構えの井上は身長165センチ、リーチ171センチで、サウスポーの中谷は、身長173センチ、リーチ174センチだ。
両者がこれまで獲得した世界王座を比較すると、井上はライトフライ級(48.9キロ)、スーパーフライ級(52.1キロ)、バンタム級(53.5キロ)、スーパーバンタム級(55.3キロ)の4階級。中谷はフライ級(50.8キロ)、スーパーフライ級、バンタム級の3階級を制した。
世界中のボクシングファンが注目するドリームマッチ。過去、井上と2度対戦(2敗)した経験を持つドネアは、米ボクシング専門誌「ザ・リング」(ウェブ版)のインタビューの中で、自身の経験を踏まえて勝敗を予想した。
ドネアは「井上選手が恵まれている点のひとつは、その戦闘能力と強烈なパンチ力だ」と指摘し、こう続けた。
「中谷はストレートをジャブのように使い続ける必要がある。それが井上を倒す鍵となるだろう。ストレートなら井上が近づいてくるのを阻止できる。ジャブだと井上はそれをかわして近づいてくる可能性があるが、ストレートなら井上は角度を変えたり後退したりして危険を回避できるからだ。中谷は距離を取って戦うべきであり、攻め込んで詰め寄ろうとするのは彼のスタイルにとって不利になるだろう」
ドネアは、19年と22年に井上と対戦した。初戦は判定負けしたものの、左フックで井上の右目上を切り裂いた。第2戦は初回から井上のパワーがさく裂し、2回TKO負けを喫した。
井上との対戦経験を踏まえ、ドネアは「この試合はそれほど一方的な展開にはならないと思う」と分析し、その理由について説明した。
「技術面で言えば、井上は私がこれまで戦ってきた中で最高の選手」
「なぜなら、結局のところ、井上は左フックを食らうことが多いからだ。その弱点が露呈している。ルイス・ネリやラモン・カルデナスは彼をダウンさせたし、私も彼にダメージを与えた。そして、それらはすべて左手によるものだった。井上にとって、サウスポーは、彼が慣れ親しんでいる構えよりも危険だ。彼はオーソドックスの選手と戦う時ほど、サウスポーと十分に戦った経験がない」
ドネアは、43勝 (28KO) 10敗の戦績を誇り、フライ級、スーパーフライ級、バンタム級、スーパーバンタム級、フェザー級を制したレジェンドだ。
過去に世界の強豪と拳を交えてきたドネアは、「技術面で言えば、井上選手は私がこれまで戦ってきた中で最高のファイターのひとりであり、おそらく最もタフな相手でもあるだろう」と評し、今回の世界タイトルマッチの勝敗を予想した。
「両者とも互いに勝つ力を持っている。井上は誰にでも勝てる実力を持っているが、中谷も同じだ。果たして世代交代となるのだろうか?可能性はある。中谷には井上を倒すチャンスがあり、私は彼ならできると信じている。勝敗は、自分のスタイルをいかに活かせるかにかかっている。序盤でそれを実現できた方が試合のペースを握り、勝利を掴むだろう」
決戦を翌日に控えた1日、前日計量が行われ、井上はリミットいっぱいの55.3キロでパスし、中谷はリミットより200グラム軽い55.1キロでパスした。